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「ん……」



 ずっしりと重みを感じる体に違和感を覚え……ラズワードはまぶたをあける。あれ、自分は何をしていたんだっけ……そう思ってあたりを見渡す。誰かの腕に自分は頭を乗せているようで――



「う、わあぁ!?」



 腕の持ち主に気付いた瞬間、ラズワードは飛び起きた。その声に彼――レヴィも目を覚ましたらしい。ベッドサイドに置いてあった何かをつかみとって、それをラズワードの首元につきつける。



「……んだよ、ラズワードか。いきなり叫ぶなびっくりするわ」

「だ、だ、だって……レヴィ様……この状況……」

「ああ?」



 レヴィは手に持っていたものを置いて、じろりとラズワードを見つめる。布団がずり落ちて、その一糸まとわない体があらわになっている。それでレヴィに腕枕をされていたのだから……ああ、なるほど、とレヴィは笑う。



「……さっき、可愛かったぜ?」

「……え、え、……嘘、あの……や、ヤっちゃいましたか……」

「……嘘だよ。ケツには突っ込んでねえ」

「……よかった……のでしょうか、……あっ……!」



 レヴィはぎゅっとラズワードの乳首をつねった。突然の刺激に、ラズワードは目を瞑って体を捩る。



「めっちゃ乳首いじめたからな、これもっと敏感になったかもね。しばらく乳首じんじんしてんじゃない?」

「あっ、やぁあ……レヴィ様、だめ……」



 目をうるうるとさせてレヴィを押しのけようとするラズワードを、レヴィは引き倒した。剥がれた布団をひっぱりあげて、もう一度ラズワードにかぶせてやる。



「良かっただろ、乳首イキ10連続。ドエムのおまえにはさ」

「……っ」

「気絶しちゃうくらいだもんな〜ああいうプレイ大好きだろ? なあ」



 レヴィがラズワードを乳首をぐりぐりとつまみ上げながら、耳に噛み付いた。あまりの快楽にラズワードはなすすべもなく、顔を蕩けさせて震えるしかできなかった。



「もっと天国みせてやるからさ、マクファーレンにこいよ。俺と一緒に、世界を変えるんだ」

「……っ」



 ふ、とラズワードは目を開ける。じわじわと迫り来る熱に息があがる。目眩がするほどに気持ちよくて、それでもラズワードは言う。



「……いや、です……」



 レヴィの眉がぴくりとあがった。ぎゅっと乳首を強く摘むと、ラズワードの身体がびくんと跳ねる。



「俺は、……ぁあッ……ハル、さまの……お側に……んっ……」

「……ハル。……レッドフォード、ねえ。あのさァ」



 レヴィがのそりとラズワードの上に乗った。



「レッドフォードに、なんか取り柄あんの?」

「え……」

「おまえくらいなら、引く手あまたじゃん。顔もいいし強いし。レッドフォードの従者とかいうポジションに収まっている意味、なんかあるわけ。そんなにレッドフォードの次男はイイ? 正直意味がわからない」

「……」



 じ、とラズワードはレヴィを睨み上げた。さらに乳首の刺激を強められ、さらに脚の間を膝でぐりぐりと刺激され、襲い来る快楽に唇を噛みしめる。



「……貴方が、マクファーレンの当主じゃなければ、今俺は貴方を殺していますよ」

「レッドフォードの次男を侮辱したから?」

「……そうです」

「……ふっ、」



 くつくつとレヴィが笑い出す。意図のわからないその笑いに、ラズワードは警戒心を覚えた。なにかが、危険だと思ったのだ。



「……強情、いいねえ」

「……」

「そういうの、好きだよ」



 にこ、とレヴィは目を細めた。ラズワードがぽかんとしていれば、レヴィは再びごろりと横になってしまう。肘をたてて頬杖をつきながら、ラズワードの頬をつつくとにまにまと笑った。



「堕とせそうで堕とせないのは燃えるなあ」

「……はぁ?」

「特に大っ嫌いな奴のモノだと奪いたくなる」



 レヴィの視線が恐ろしく感じて、ラズワードは彼に背を向けた。そうすればするりと脇からレヴィの手が胸元へ滑り込んでくる。



「う、……や、ぁ……また、そこ……」

「惜しいなぁ、ここで俺に靡いてくれたら、突っ込んで思いっきりズボズボ奥の方突き上げてやるのに」

「あ、ぅ……や、だ……あ、ッ……は、ぁあ……」

「かーわいいの。もう一回乳首イキしておく?」

「う、ッ……、この、立場をいいことに好き勝手……!」



 なんとかラズワードはレヴィを振り切って、体を起こす。自分があまりにもレヴィに反抗すればハルの立場が危うくなると我慢していたが、もう限界だった。はあはあと息をあげて、レヴィを見下ろす。しかし、涙目で、快楽に蕩けたその顔では迫力がなかったのかレヴィは顔色一つ変えなかった。ふん、と鼻をならして一言、



「可愛い反応するおまえが悪い」



 とあっけらかんとして言っただけだった。ぐ、とラズワードが言葉につまらせると、勝ち誇ったような顔をする。



「まあ、無理矢理犯すつもりはないけどさ、おまえが欲しいのはホントだから。その辺は考えといてよ」

「……貴方のものには絶対なりませんよ」

「どうだか」



 まだ夜はあけていない。ラズワードはキッとレヴィを睨み付けると、ベッドの端に寄って目を閉じる。嘲るようなレヴィの笑い声は無視してやった。
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