ピッコロさん

 ピッコロさん、すきです

 流石ピッコロさん、だ〜いすき!

 ピッコロさん、好き、です…。







「、…ロ、さん、……、……ピ、・・ロ、さ………、」





「ピッコロさん、ピッコロさんってば!」
「………、悟飯。」
「もう、中々起きないもんだから、びっくりしちゃいましたよ。」


ピッコロさんらしくないですね、疲れてるんですか?
いつもの甘い声でそう問われ、いい加減夢現な頭が覚醒し始める。
確かに、いつもであれば悟飯の気が近づくだけで目が覚める。

けど、今は。

夢で会ったアイツが、あまりにも。



「…何故、ここが。」

そう問うと、悟飯はきょとんとした表情を浮かべた。
おまえにはその顔が一番似合う。
夢で見たおまえは。おまえの、表情は、……。


「何故って、あなたの一番弟子ですよ? 当然、だぁい好きなお師匠様の気を辿る事なんて、一番弟子であるこの僕にかかればオチャノコサイサイです!」
「・・・調子に乗るんじゃない」

生意気な口を利く弟子の頭を、コツンと叩く。
うへへへ、いたぁい。なんて、馬鹿みたいに甘ったるい声で悟飯が頭をさすった。


「それで、どうしたんです?」
「……何がだ。」
「ピッコロさんが中々起きなかった理由です。」
「・・・・別に、これと言ったワケは無いが」

夢で見たおまえが、余りにも ――、

「ええー…? 僕にも言えないんですかぁ!」

余りにも、

 かっこよかった、から。

「だから、別に訳など無いと言っているだろう。お前の言う様に、疲れが溜まっていただけ……ッ、ごは…」
「うそ。 だってあなた、どれだけ疲れていても御くびにも出さないくせに」


悟飯の、日々の修行を思わせないしなやかな指が。
俺の頬を、撫でた。

「っ、悟飯」
「僕…、あなたが困っているなら、力になりたいんです」

そう言った悟飯の眼は、夢で見たアイツのそれと同じで。
思わず、ごくりと大きく唾を飲み込んだ。


「ね? だから、ワケ、聴かせてください。」
「………。 別に。その、なんだ。ただ、夢を見ていただけだ。ただ、その夢が…、」
「夢が…?」
「…しあわせ、だった。」

ちくしょう、しぬほど恥ずかしい。

「ピッコロさん程のヒトが幸せって思える夢は、とても素敵な内容だったんでしょうね」
「内容は全く覚えていないが…、」
「…?」

「………おまえが、出て来た。」






(〜〜〜〜っ、ピッコロさあぁああん!!!)
(っ離れんか馬鹿!!!!)




*****
あれ…。
幼少期書きたかったはずが…。
あれ……?
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