(勇魔)
(えろ本番無)












確か自分は、そこまで感情を表に出すタチでは無かった気がするのだが…と
思ったけれども、今回の場合は仕方が無いのではと自問自答する。





「ねえガノン?」


紅茶を飲みながら、決して優雅とは言い難い時間を、勇者であるリンクと共に過ごすなんてことは、意外としょっちゅうある事で。

信じられない事にこいつと恋仲である俺は、この状況に慣れ親しんでしまっていた。

そんな中、奴が俺に話しかけてきたので俺は短く「ああ」と返事をする。


「君はさ、自慰とかしないの?」
「は…、じい? ………………っ、!!?、なっ、なにっ……!」


とまあ、こんな阿保みたいな経緯があり冒頭に至るのだが。
余りにもいきなりすぎるありえない質問に、俺が固まるのも仕方が無いと是非頷いて欲しい。



「しないの?」
「きっ、き貴様何をいっいきなりそんな、ばっ、ばかじゃないのか・・・!?」
「ねえ、どんなこと考えながらするの?
 俺のこと、想像しながら、してる?」

リンクの冷めたみたいな目が、俺をじっと見つめる。
逸らす気の全く無いその視線に耐えきれず、俺は思わず目線を逸らした。

執拗に聞いてくるリンクに馬鹿か貴様はと罵声をあげながら、いたたまれずこの場を去ろうとした俺の腕を、リンクの手が掴んだ。

「なっ…、は、離せっ」
「ねえ」
「なんだっ!!!」

完全に余裕を失ってしまった俺は、思わず怒鳴り声をあげる。
リンクの無表情な顔が、俺を蔑んでいるみたいで。

情けなくも泣きそうになった。

「えっちな事したい。君と、今、この場で。」

途切れ途切れに言いながら俺に迫ってくるリンクは、何だかいつもみたいに優しい雰囲気を持っていない様に見えた。
別に優しくされたいわけではないと自分に言い聞かせながら、断ろうと目線をあげたそこには冷たい目をしたリンクの顔が思いの外近くにあった。

「させてよ。いいでしょ? 俺、今すごく君を気持ちよくさせてあげたい気分なんだけど」
「〜〜〜っ、こ、断わ…ッ、お、おいっ・・・!」

 俺は良いなんて言ってないぞ!?

頭の中ではいっそ饒舌なくらいリンクに悪態をついているのに。

実際は、強く身体を押し倒されて、熱いリンクの舌で太股の内側をなぞられみるみる内に力が抜けてしまい、抵抗どころでは無くなっていた。


「君、ココ苛められるの好きだよね。すぐちんこ勃たせちゃうんだから。」
「ッ〜〜〜〜、なっ、ばっ・・・・っ!」

ちろり、と
リンクの舌先が鼠蹊部をなぞった。

「っ――――!」

びくんっ!と、自分でも分かるくらい身体が跳ね、とんでも無く恥ずかしい気持ちになる。

時折その部分を小さく吸われれば、後ろの秘部が疼いた。

「はっ…ぁっぅ…・・・」
「ねぇ、さっきの質問なんだけど。」

ちゅるちゅると水音をさせ、関節部を強く吸いながら、リンクは軽い口調で話を進める。

「普段一人でスる時さ、何考えながらしてるの?」
「っ…るさ…ッ、そ、そんな、事、おまえにかんけ、なっ……、ッんひっ・・!」

あくまで俺に言わせたいらしいリンクは、今まで猫の様に舐めていたそこに、強く歯をたてた。
俺は思わず短い悲鳴をあげてしまう。


「やめっ・・・」
「何、考えながらしてるの?」
「っ…い、言え、るか・・・っ」

強情、と言いながら、リンクは完全にそそり立ち上がった俺のペニスを引き出す。
ひっと短い音が俺の口から漏れ、身体が硬直した。

リンクの舌が、俺のアレの先端をぺろりと舐めたのだ。


「ッ〜〜〜、やっ、め・・・っ」
「どうして。ここ弄られるの、好きでショ?」

リンクの顔には笑みが貼りついているのに、能面の様に感情を持たないソレに、はしたないと責められているようで。

「っく…、ぁ・・っあ、」
「ねぇ、教えてってば」
「やっ……、あっ・・・!」

リンクの舌先が、先っぽの内部へと侵入してきた。
今までにも数回、その、ふぇ、フェラをされたことはあったが、こんなにも執拗にそこを苛められるのは初めてだった。

そもそも、俺はそこをどうかされるのがあまり好きではない。
強い刺激に頭が変になってしまいそうになるので、俺自身でさえあまり触らないのだ。


そんな場所を、こんなっ…されたら・・っ


「あっ…、ひッ」
「ぐしょぐしょ」
「〜〜〜っ、言う、なっ…んんっぅ・・っ!!?」

先端をちろちろいったりきたりするだけだったリンクの舌先が、ついにぐちゅりと太い部分まで入ってきて

思わず喉を仰け反らせた。

「ひぃっ…ンッ!!」

両手で竿を握られ、ぐぽぐぽと内部を刺激されれば、身体がどうしようも無く跳ねた。
あまりの刺激に気を失いそうになる。


「ひぃヤ…っ! あ゛、ッくひっんんん」
「手、どけて」
「っ……ら、・・って・・・…ッ!」

どうにか引き剥がそうと、リンクの頭をぐいぐいと押してみても
リンクは相変わらず冷めた瞳で俺を睨みつけながら、お仕置きとばかりに先端に歯を立てた。

「イ゛ッ―――――!!!」

衝撃が脳天を突き抜ける。
俺の瞳からは情けなくぼろぼろ涙が零れ落ちた。

「俺のする事に逆らわないで。いい?」

ばかか冗談じゃないと反論したいのに
痛みと快楽に打ち負かされた俺は、こくこくと頷いた。

「良い子」

くすりと、リンクが笑んだ気配を感じ取ると
俺は次の瞬間、息を詰まらせた。


「ッ゛っ―――――、っ、っつ!!!」


先端を、強い勢いでバキュームされたのだ。

「ん゛っ、ひっ、。」

吸い上げられながら先端を舌で抉られれば、そこは間欠泉の如く精液を吐き出した。



「ひはっ………はっはあ、ァっ‥‥」

荒い息が部屋に響く。
肩で息をしながら、俺は頭がぼーっとして幾重にも見えるリンクの顔を見つめた。

相変わらず冷めた様な表情をさせたリンクの顔。
どうして俺がこんな目に、とか。怒っているのか、とか。
そんなくだらない事ばかり頭に浮かぶ。


「気持ちよかった?」

リンクが俺に問いかける。
すぐに頷く事が出来ず、けれど肯定しなければ次何をされるか分かったもんではないのでゆっくりと頷いた。

「そう、良かった。」

リンクの親指が、俺の下唇をなぞる。
ふるりと震えながら、俺は一つの疑問を口にした。

「な、んで…っお、怒って、いるのか…?」
「どうして?」

どうして、なんて聴かれるとは思っていなくて、俺は口籠る。
むしろ何故こんな事をされているのか謎なのだ。どうして、だなんて答えられるはずもない。

「それが、わ、分からんから聴いているのだ…。」

少々気弱気味に反論してみる。

しばしの無言。
俺の額に一筋の汗が伝った。


しばらくした後、リンクが小さく口を開いた。

「俺の事考えてくれるのは嬉しいけど、今度から一人でなんてしないで、シたい時は直接俺に迫って」

じゃないと、今度はもっと酷くするよ。いいね?
そう付け足し言ったリンクの瞳には一寸の迷いも無くて。
俺は、奴が本気で心の底からそう言っているのだと確信した。

反論は許さない。
そう言われているかの様な錯覚に陥りそうな程の気迫に、俺は思わず頷いた。
良いコだね、そう言いながらリンクが俺の頭を撫でた。




…いや待てよ。
それじゃあ、お前がいない時に致したくなったらどうするんだ。

・・・・・等と、到底聴けやしなかった。


兎にも角にも、自分は意外と、まだまだ若いのかもしれないと俺は頭を撫でられながら思った。










(結局、アイツは何故怒っていたのだろうか…)
(妄想の中の自分にすら嫉妬してしまう)



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