赤青



最近、俺は病気なんじゃないかと本気で思う。

レッドのやつを見ると切なくなって、胸が苦しい。おまけに最近は、それに拍車をかけたように動悸までするようになった。

そのためなるべく避けていたのだが、自分の意思で避けているのにも関らず無意識にレッドを見てしまっている自分に気づいてしまった時は流石に焦った。

このままではいけないと、本人に直接相談してみようと考えてはいるのだが、そういった機会はなかなか無いのが現状であったので、俺は毎日そのことで頭を悩まされていた。(まったく、何で俺がこんな目に…)
そんな時であった。 夜の森は危険だということで、固まって野宿することになった俺達は、二人一組になって夕飯の材料を調達しようということになったのだ。

俺はレッドとのペアになり、水汲みと薪拾いを任された。

そんなわけで奇跡的にレッドと二人きりになれた俺は、今しかないとばかりにレッドに話かける。


「な、なぁ、レッド」

「ん、なぁに?ブルーから話しかけてくるなんてめずらしいじゃん!嬉しいな」

緊張して喉がからからな上、レッドの嬉しそうな顔を見た途端顔が一気に熱くなるのがわかった。

だのにレッドときたら、にこにこした表情のまま俺をじっと見つめている。

自分から話しかけたとはいえ、言葉をうまく発することが出来ずにしばらくの沈黙が俺を苦しめた。

しかしこのままではいつまでたっても埒があかないしレッドにも迷惑がかかるので、俺は意を決して出ない声を強制的に絞り出す。

裏返ってしまうのではという不安がよぎったが、意外とそんなことは無く安心した。


「あ、あの…お、俺、最近変なんだ」

「? 変って、何が?」

不思議そうに俺の顔を覗きこみ、どうしたのとでも言いたげな瞳で俺を見る。

顔がいつもより近くて、しかも久しぶりにきちんと見たレッドの顔に、何故だか胸がきゅんとして無性に泣きたくなった。


「ぉ、、れ、お前を見ると…何故だかわかんねぇけど、どきどき…して、だから、その…最近避けてたんだ。…ごめん。」

「……それで?」

「だ、だから、何でお前を見るとこんなに苦しくなるのかな…、って…。」

「それって、恋の病ってやつじゃない? ブルーってば、僕に恋してたんだぁ」

「は!? な、何言って「僕は、好きだよ?」

俺がすかさず否定の声をあげようとした途端のレッドの告白についていけず、思わず固まってしまった。

というか、これは一般人として当然の反応だと思うが。


「は…なっ、なに…」

俺は金魚のように口をぱくぱくと動かし、相変わらずにこにことした表情を崩さないレッドを凝視した。

俺が好きって…!俺は男で、お前も男なんだぞ、という当然の言い分はあっさりとスルーされ、段々と近づいてくるレッドに、思わず後ずさる。


「レッ…」レッド、と、彼の名前を口にするより先に、温かくて柔らかい何かが俺の唇に触れる。

それが何なのか理解するまでにそう時間もかからず、かといってどうにか出来るかというとそうでは無くただただその行為が終わるのを待つばかりだった。

最初は軽く、角度を変えて俺の口を啄ばむ。ちゅ、ちゅ、っという可愛らしい音がやたらと耳につき一気に羞恥心が込み上げる。

その感情に気づいた瞬間、はっとしたように抵抗を試みるも時すでに遅しといった感じでどんどんと深く深くなっていくその行為に、なすすべなくレッドの肩にしがみつく。

やっと口が離れたと思い若干足りなくなった空気を肺に入れようと唇を開いた瞬間、待ってましたとばかりにレッドの赤くて熱い舌が侵入した。

流石にびっくりして身体を強張らせる。その間にも、彼の舌が口内を縦横無尽に駆け巡る。

歯列をなぞり口蓋を刺激されれば、吐息が漏れ酷く気持ちがいい。舌と舌とを絡めると、唾液が次から次へと溢れてきた。彼はそれを飲めといわんばかりに、舌を奥まで侵入させてくる。

喉の奥を刺激され軽い嘔吐感が俺を襲う。俺がそれから逃れたい一心で口を大きく開き酸素を取り込もうとすれば、今度は舌を器用に吸われもう何が何だか分からずに脳内がショートしそうになった。

しばらく俺の舌を味わい満足したのか、俺はようやく解放を迎える。呑み込めなかった分の唾液が、レッドのものと俺のものが混ざった状態で頬を伝った。


「はっ、は、ぁ…」

足りなくなった酸素をどうにか体内に取り込もうと、肩で大きく息を吸う。

森独特の湿気の匂いに顔をしかめるも、ようやく心臓の鼓動も収まってきて安堵を取り戻した。


「ブルー、こっち向いて」

「やっ…!み、見んな…!」

「はは、いやらしい表情」

「ッ−−−−−!!」


確かに気持ちいいと感じてしまった自分が情けなくて、絶対にこんな顔は見せたくなかったのに。

そう思えば思うほど、何だか自分が惨めに感じてきて仕方が無かった。


「ねぇブルー? さっきも言ったけど、僕だってブルーが好きなんだ。だから、そんな表情見せられちゃ我慢も出来ないよ」

「っ、や…!触るな! 俺…っ、お前に触れられるとどうにかなっちまう…!」

「!(…天然って、ほんと恐いな) 僕、もっともっとブルーのそういう表情が見たいな。ねぇ、見せてよ」

「!? や、やめ…っ!」


見ているだけでも動悸がするというのに、その本人に触られるとあっては正気を保てるはずもない。

俺の静止の声など聞く耳持たずといった感じで、どんどんと手を進めていく。

ワンピースの襟の部分をぐっと下に下げられ、鎖骨から右の耳元にかけてゆっくりと舌を這わせられれば、ぞわりと鳥肌がたつのがわかった。

そしてその舌の動きとは別に左手で襟足をつつ、となぞられれば、俺は短く声を漏らした。

その動きは緩慢で、しかし程良い強弱をつけ爪を立てられる。 そのたびに俺の身体は俺とは全く別の意思をもったかのように、びくりびくりと反応を示した。

ひっ、ひっ、と俺なりに一生懸命に声を抑え、レッドに身体を預ける。

上からクスリ、と含み笑いを感じたが、今はそれどころでは無く必死でレッドにしがみついた。


「っ、きゃ!?」

「なぁに、その声?ブルーってば、まるで女の子みたい」

彼の舌の動きにばかり集中していたためか、手がいつのまにか胸に達していたことにこれっぽっちも気付かず、完全に不意をつかれた俺は、なんとも間抜けな声を発してしまった。

右側の頂きを掠めるように刺激され、もどかしさと苛々が募る。

触れるか触れないか程度の刺激を与えられていたかと思えば、いきなり強く摘ままれ素っ頓狂な声をあげた。

鋭くちくちくとした刺激の後に優しくくりくりと弄ばれれば、そこはたちまち硬くなり自信を主張した。


「ふぅん…乳首で感じちゃうんだ、ブルーは。男の子なのに恥ずかしいねぇ」

「ぃ、やぁ…っ、ちが、違う…」

「否定するわりに、ここはちゃっかり勃っちゃってるけど?」

「うぁ−−っ!?」

「ふふ、僕の指に反応してくれて光栄だな とても嬉しいよ」

「ンっ、んぅ…!は、、ぁ、ァ・・やめろ…ッ」

ズボンの上からやんわりと刺激され、前は次第に上を向き硬さも増してくる。

それがやけにリアルに伝わり、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。


「ッ…! もっ、ほんと…やめッ、!」

「どうして? もっと素直になりなよ。…ここはこんなに素直なのにね」

そう言って、今度はとうとう直接ソレに触れられる。

当たり前だが他人に触れられたことのない俺自身は、痛いくらい敏感に反応する。

「ァッ!? ちょ、待って!そんな・・とこッ!」

「くす・・可愛いね、ブルー。僕の指一つ一つに反応して…ほんとに君は僕の一部なのか疑いたくなっちゃうよ」

「やぁ!っそんなこと、言わないで…っ!」

俺はというと、情けなくレッドの肩を押し返すばかりで。自分の無力さや非力さにいよいよ嫌気がさした。

当のレッドはというと、心底楽しそうな顔をして俺の事を上から眺めている。
こいつが今何を考え何を俺に求めているのか、全く持って謎だ。


「考え事なんて随分余裕じゃない、ブルー」

「え?  っぁあああ!?」

何が彼の神経を逆撫でしたのかは分からないが、レッドは面白くないと呟くと今まで緩くしか触れていなかった亀頭に思い切り爪を立てた。

予想もしていなかった痛みに、声を抑えることが出来ない。


「っは!あっ、ァあ、ぅあ…!!」

「ねぇブルー?今、君の恥ずかしいところを触ってるのは誰?」

「っ、ひ、ぁ、あぁあぁぁ」

「答えてよ」

レッドは短く言うと、ソコに更に圧力をかけてきた。

「っれ、レッ・・ド、レッドぉぉぉ…っ!!」

鋭い痛みに、俺はなすすべもなく言いなりになる。

「クス…よく言えました」

俺が素直になったのが満足したのか、すぐに力を弱め今度はそこを中心にゆるゆると指を動かす。

痛みが徐々に和らぎ、その代りにどんどん快楽の波が押し寄せてくる。


「ふぁ、ァ、だ、め・・だめぇ…っ」

「何が駄目なの?」

「そ、こぉ…ッだめ、だめ…っなのぉぉ…!」

何が駄目なのか分からないが、とにかく駄目なのだと首を左右に振り、意味のない抵抗を試みる。

勿論、それが彼に効くはずもないが。


「気持ちよすぎて、だめ?」

「ふぁ、ち、が、違うぅう…っ気持ちよくなんか、無い…ッ!」

「素直になった方がいいって、さっきので分からなかったの?」

彼はそう言うと、今度は根本をぎゅっと握りしめた。
さっきのとはまた違った圧迫感と痛みが襲い、ひっと短い悲鳴を漏らした。


「気持ちいいの、よくないの。 言っておくけど、僕嘘は大嫌いだからね」

有無を言わさずといった口調で、俺に意見を求める。

快楽と痛みで働かない脳だが、先程された事で逆らうべきでは無いと本能が脳に信号を送る。

そんな間にもレッドのもう片方の手はひっきりなしに俺の身体中を這い、快楽を与え続ける。


「ひっ、きっきも、きもちイィ…!気持ち、い、からぁ!!」

「いいから?」

「はっ、ぁ、ア、っ!」

「やめて欲しいって? イかせて欲しい?」


レッドの問いに、こくこくと頷く。
慣れない感覚に、実は射精感でいっぱいだった。早く精を吐きださせてほしい。


「それじゃあ、一回イかせてあげる」

「ふぇ? ッ、ぁ、ああああぁ!!?」

にっこりと笑みを浮かべたかと思うと、いきなり竿を上下に激しく扱かれて、たまらず上半身を仰け反らせる。

しかも、どこで覚えてきたのか強弱の付け方の上手いこと上手いこと。
俺はレッドの手の中で、あっけなく果ててしまった。


はぁはぁと深く息を吸い、射精後独特の酷い倦怠感が俺を襲う。
そんな俺を余所に、レッドの手によって今度はうつ伏せにさせられる。

疲れきった俺は抵抗一つせず、レッドが次に何をするのか恐怖感と期待感の混じった目で見つめた。


「最初は痛いかもしれないけど、すぐに気持ちよくなるからちょっとの間我慢してね」

「な、なに…ーーーっ!!?」

「うわ、何これ締まりすぎ。こんなんで僕のを受け入れられるの?」

「ひ、ぃ、ぁ、ああ、ァ…ッッ!!」

「ブルー、大丈夫? 息しないと死んじゃうよー?」

わざとらしく、しかもさも楽しそうに俺の反応を見ながらぐるぐると指をかきまわされ、俺は声にならない声をあげた。

何分か、それともたった数秒だったのか分からないが、酷い圧迫感と異物感に眩暈がして、とにかくそれから逃げたかった。


「ひぁ!? ぇ、ぁ、?」

「ああ、ここ」

「ヒィッ!? ぁっあああぁああ!や、ら、らめ…っらめぇええ!!」

「ここ、気持ちいいでしょ。 前立腺って言うんだよ、知ってた?」

「ひっ、ひっ・・!い、ぃや…っいやぁああ!!」


行き過ぎた快感は苦しみでしか無く、俺はとにかくその苦しさから逃れようと、必至で四肢を動かす。
生理的な涙が頬を伝い、声を荒げた喉は限界に近かった。


「嫌、じゃあ分からないよ?」

「ふ、ぁ、ぁあああッ、し、死んじゃ、死んじゃうぅぅうう!!」

「死んじゃうくらい気持ちいいってこと?」

「ふ、ふぇ、ァッぁあああっあ、ァ…ッ!!」

突然、火花が散り目の前が真っ白になったかと思うと、自分の意志とは関係なく身体がびくりびくりと震えた。

何が起きたのか、全くわからなかった。


「あはっ! 後ろだけでイっちゃった?」

「っ、ぅ、うそ…だろ? こんな…こんなの、俺じゃないっ…!」

「ブルーだよ。 いやらしいのも、かわいいのも、全部全部ブルーなんだよ」

耳元で囁かれ、中にまで入ってくるレッドの息はとても熱くて。それだけで、俺のものはまたむくりと反応を示す。

情けなくて恥ずかしくて、涙が止まらない。


「っは、も…や、らぁ…ッ」

「元気だなぁ 流石若者!」

「ば、ばか…ぁ…」


俺が息を整えているとレッドは急に立ち上がり、さて、と軽く言うと、前をくつろげさせた。

びっくりして、そこから目が離せず思わずじぃっと見つめてしまった俺に対し、なぁに?あんまりにも立派でびっくりしちゃった?等と冗談交じりに言われたもんだから、俺はすかさず阿保!と反感してやった。


「そろそろ戻らないとグリーン達に不審がられちゃうよね。残念ながら挿れることはできないけど、ブルーの可愛いお口で慰めてもらおうかな」

「…は?」

何をいきなり変なことを言い出すのだ、こいつは。と思いながら彼を見ていると、近づいてきた彼にいきなり顎を持ち上げられ、口の中に彼自身を捻じ込まれた。

突然の事に頭がついてきてくれなくて、苦しさと再度来た嘔吐感に、必死に耐える。


「っ…、ブルーに咥えられてるってだけで…、っ僕、出しちゃい、そうだよ…!」


苦しげにそう言うと、俺の頭を木に押しつけガンガンと腰を振りだした。
もっと口を窄めて、と強い口調で言われ、口蓋垂ばかりを狙われる。

俺は苦しくて嫌でたまらないはずなのに、何故か興奮してる自分に気づいた。

ほどなくしてうっ、と顔をしかめ俺の口の中に白濁を注ぎ込み、全て出し切るべく小さく痙攣したソレを上下させる。

俺は嫌だと思っていたはずなのに無意識のうちに口を窄め、最後の一滴までレッドの味を堪能した。




「、っぷぁ…!」

「…ごめんね、ブルー…苦しかった?」

「…、ん」

幼い子をあやすように優しいその口調に安心しきって、頭を撫でてくれているその手に、顔をすりつけた。

その後リーダー達の元に戻った俺達だったが、ああいうことをしていた為収穫なんてあるはずもなく、当たり前だがこってりとしぼられた。







なんか全体的にばかっぽくてすみません(笑)
とりあえず如何にもあはんうふんな喘ぎが書きたかったんです。