※ 『魔王、拾いました。』のパラレルみたいなもの。影落ちエロ。


















ひんやりと冷たい空気に小さく震え、ガノンドロフは目を覚ました。
此処は一体とあたりを見回すも、無機質な黒茶色のレンガが高く上まで伸びているだけで、後は寂しくなるほどシンプルなものだった。

小さな洗面所、埃を被ったシーツ、明かりの届かぬ地底にでもいる気分になる。
どうにか脱出を図るべく、横たわる己の身体を起こした瞬間。

「ッーー?」

ひどい倦怠感が半身から頭のてっぺんまでを襲った。
なんとなく酒に酔ったような感覚。
そういえば、少し体内が熱い気もする…。
風邪だろうか?
きっと、冷えた空間に長く良すぎたのだ。

ならば尚更早く帰り、体調を整えねば。
魔物の大群と戦うのに身体が悪くなっていたのでは、リンクに申し訳ないというもの。

「……っは…」


ちくしょう、くらくらする。
少し息も荒い。
起き上がっただけで目眩が酷く、立っていられない。

なんたる失態か。
ガノンドロフは自分を叱責しながら、格子の方へ向かう。


「おい、誰か…!」

ガシャンッと音をたて、格子の隙間から視線を動かす。
どうにか外の 誰か に自分の存在を気づいてもらわねば…。
急く思いで、ガノンドロフは熱で出にくい声を振り絞った。


「誰か、誰かいないのか…!?」

「いますから。
 騒がないで頂けますか?」

ガノンドロフとは正反対にドライな声が、格子の向こう側からガノンを諌めた。

「主様ともあろうあなたがそんなに取り乱してどうすんです。」
「っ、お、前…!」

リンクと瓜二つでありながら、リンクの温かい眼差しとは似ても似つかない冷え切った視線を上から浴びせてきた男。
まさに今後、自分たちの目の前に立ちはだかるであろうその男が、すでに己の目の前に立っていた。


「お前とはひどいじゃないですか?」

 ーーーー 主様。



「っ………!」

酷く軽蔑した鋭い視線に射抜かれ、ガノンドロフは後ずさる。
しかし狭い室内では、あっという間にふくらはぎがベッドに辿り着いてしまった。


「っく、来るな…!!」
「本当に酷いな、あなたは。俺がどれだけ尽くしてきたと?」
「っっーー!」
「おっ、と……。こっちですよ、主様。」

ジリジリと後ずさると遂に壁に背中が付いてしまい、熱で力の入らない腕を男にいとも簡単に取られる。

「何を…!」

ガチャンと鳴った金属音。
見ると、ガノンドロフの太い腕を、さらに太い鎖が拘束していた。

「力の制御ができない今のあんたに暴れられても困るからな」

先ほどとは打って変わって馴れ馴れしい口調で話す男を、ガノンドロフは怯えた瞳で見つめる。

「はっ、全く情けねえ」
「………っ。。」

魔王のくせに、と言いたいのだろう。
だが仕方がないではないか、記憶が一切ないのだから。

そんな言い訳を頭の中でこぼしつつ、ガノンドロフは男から目をそらした。


「あのなあ主様。」

男は無表情のまま続ける。

「もう、あんたの記憶を取り戻すことができないらしい。
 ローバたちが言うには手遅れなんだと。…全く、自分たちで作った薬に踊らされるとは情けのねえことだが。
 俺としては、あんたの記憶が戻らないのは好都合でもあるんだ。」

「・・・・っ、、」

「俺はあんたを、・・・ずっと自分のものにしてえと思ってた。
 だが、本来のあんたにそんな阿保みたいなことを言っても謀反と捉えられるだけ。
 最悪、あんたの側に置いてもらえなくなる可能性もある。」


「だからなーーー…?」




「ッーーーーーーー!!!」
「今のあんたに好き勝手することにしたよ。」

ニンマリと男の口かどが大きく上がる。
ベッドと一体化した重く太い鎖に腕を絡められたガノンドロフは、小さくもがくことしかできない。

「もう処女は取られちまってんだろ?」

「ッッッッひー!!!!!!!!」


ガノンドロフの野太い喉仏がくんと上に上がった。
詰まった息は行き場をなくし、見開かれた鋭い目には大粒の涙が浮かんでいる。

「あー。
 やっぱ可愛いわ、あんた」

男は恍惚とした表情でガノンドロフを見つめる。
そして視線はそのままに、先程ずぐりと差し入れた2本の指をくにくにと動かした。

「〜〜〜ッッっ」
「なんだ、痛いなら声出せよ。ツライだけだぜ?」
「ッ………」

顔を真っ赤にしながら、ガノンドロフは鎖をじゃらじゃらと鳴らす。
今にも泣きそうな彼をにやけ顔で観察しながら、男はさらに指を2本増やした。ガノンドロフの逞しい太ももが強張る。
はじめのうちは、なんて優しい考えは、この男の脳内には存在しない。
いかに目の前の屈強な上司を虐げるか。
そんな考えしか持ち合わせていないのだ。


「ほら声出しな。いつまで息止めてる気だ?」
「、、っっっ」
「・・・ならどこまで我慢出来るか見ててやるよ。」

くく、と笑みを漏らした男は、4本の指を強く奥まで差し込んだ。
ガノンドロフの身体が跳ねる。

「っ、!ッーー!!!」

ゆっくり、つよく、
そして時折指の先を畝らせる。

目からは涙を流しながら下の口からは粘ついた透明な液を滴らせ、男のしなやかな指を汚す。
段々と早くなる指の出入りに、ガノンドロフの口からは少しずつ息が漏れ始めていた。


「っ、ぅッ…く……ッっ」
「・・・なあ、あんたホントにココ処女なのか?
 随分と……良さそうなツラしてやがるが。」
「…っちが」

「・・・・・ああ。

  ナルホド、な。」



「ッッひーーー!!!、ッあ、ッァ!!?」

あまりにも急なワンポイントへの刺激。
『リンク』に毎日触られていたそこへの確実な刺激。

「ここ、あんた初めてだからあんまり良くないだろうと思って避けてたけど…」





「ーーーーーーーハジメテじゃねえじゃん」

「〜〜〜〜〜っっっ、!っあっああああああ、あ、あ」


『ソコ』に指先4本を押し付けられた状態で爪でざりざりと刺激を与えられ続け、ついにガノンドロフの糸が切れた。
穴からは空気を含んだ水音がひっきりなしに鳴り続け、聴覚からもガノンドロフを蝕む。


「っ、〜〜〜ひ、っ、ィ!っン!!、あ゛ッ」
「こんだけ慣れてんなら勝手に後ろだけでイケんだろ?
 俺にイイとこ見せてみろよ」
「ーーーッ、〜〜む、り・・・・っ」
「……あ?」

非道なまでの言い草に、ガノンドロフは堰を切ったように泣きじゃくる。

「う、うしろ、だけは、むり・・・っ」
「は?
 ……なら、今日から後ろだけでイケるよう訓練しなきゃな。」

「っ・・・!!」


にんまりと楽しそうな笑みを浮かべる男に、ガノンドロフは絶望の眼差しを向ける。
どうかお願いだと必死に目で訴えるも、男は意に介していない。



「今夜から毎夜、俺のために『身体を作って』いってもらうぜガノンドロフ様。」

ククク、と厭らしい笑いを漏らすと、男は指を乱暴にかき回し始めた。
悲痛な悲鳴をあげながら、かつての魔王は地に落ちていく。







ーーーーーー

ずっと書きたかった『拾いました』シリーズの影落ちえろ。
やっと書けて満足な反面、ひっさびさのえろと文すぎてもう…。
これからまた少しずつリハビリしていければと思います><



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