とてつもなく広い荒野にポツンと佇む岩の上に、その男はずしりと座っている。
荒れ果てた赤黒いマントが静かに風になびく。
砂の付いた髪は今にもパサパサといった音を立てそうに軋み、男の目は暗い。

いつからそこに居座り、いつから声帯を震わせていないかもその男は覚えていない。
ただただ前をじいと見ている。
目の先に何があるわけでもないが、ただ変わらず一点だけを見つめている。

何時間いや何日か経ったのだろうか、背景とも同化しかけてしまいそうな男の視界がふっと薄暗くなった。
男はそこで初めて焦点をずらす。

「ここには来るなと言ったろう」

いつぶりかに喉を震わせた男の声はがさがさでしゃがれている。

「会いたくて会いたくて仕方なくて、探してた。」

男とは対象的な如何にも好青年な声色の青年の言い訳はこうだった。
男は薄く笑う。

「馬鹿だな」
「ひどい言い草だな、相変わらず君は。」

二人は空気を少し撼わすような笑みを零す。
静かに、この柔らかい静寂を壊さないように。

「君とは初めて会った気がしなかったんだ、あの時出会った瞬間の、君をとうとう見つけたって感じの衝撃は今でも忘れられようがないよ。」

青年は続ける。子どもみたいに無邪気でありながら、厭らしいオスの声色で。

「つまり何が言いたいかって、君には運命を感じるってこと。」

(だからね、)

「君を僕から遠ざける気なんて、絶対ないから。」

ちょっとばかり照れたような笑いを零しながら、幸せな表情をする青年を、男はじいと見つめる。

「おまえとは…相入れない仲なんだよ。どうしてもな。」

わかってくれ。

申し訳な気に男は躊躇う己の手を青年の頬に添え、キスをした。




***

新作ゼルダにガノ様出る気がしないので、新作リンクで良い様に妄想してみました。
新作の考察とかはあえて目に入れないようにはしてるけど、見た感じ未来っぽいよね。
てことで、封印から(何故か)解かれた数百年後のハイラルの地に足を踏み入れたガノたまに初めて会った新作リンクくん。酒場かどっかでヒョンと二人が出会っちゃって、ガノたまは状況をすぐに飲み込むけどガノたまに一目惚れしちゃった何も知らない新作リンクたんはガノたまが何言ってんのか全く理解出来ない。そんなお話。(補足なげぇ)
そんな二人の切な甘い感じをニュアンスで伝わってたら…いいな…。

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