アヤ(以下絢)「あの、この組み合わせは何なんでしょうか」 アオイ先輩(以下蒼)「あえて気まずくなりそうな人同士を対談させてみようキャンペーンらしいよ」 絢「……何故わざわざ」 蒼「うん、ほんとなんでって感じだよね。俺達全然気まずくなんないのに」 絢「そ、そうですよねー……(満面の笑みで言われたら逆に怖いんですけど……)」 蒼「……」 絢「(しかも何この間! 私に何を求めてるんだろうこの人…!)」 蒼「……」 絢「(え!? 本当にどうすんのこれ…! こういう時笑って誤魔化せるタイプじゃないんだけど私!)」 蒼「……アヤちゃん?」 絢「はいっ!」 蒼「……なんか今日は元気だね、返事が」 絢「…あ、ええっと、今日の朝に栄養ドリンク10本飲んできたんで」 蒼「へ、へえ……随分気合い入ってるんだね」 絢「(うわ、確実に引かれたなこれ……あのアオイ先輩の鉄壁の微笑みが若干崩れてるし……やっぱり私にはジョークなんてハイレベルな物は言えないよ)」 蒼「じゃあアヤちゃん、その気合いを保ったままいこうか」 絢「……はい(やたら纏めるの上手いなこの人)」 蒼「えっとね、今日はチビ作者Y紗からの質問に答えないといけないらしいんだけど」 絢「質問、ですか」 蒼「そ。質問」 絢「どんな質問ですか?」 蒼「ええっとね、今日は俺達がそれぞれ別の質問に答えなきゃいけないらしくて。アヤちゃんに来てる質問は……」 絢「……何ですか?」 蒼「“正直ルイ以外の男に乗り換えたくなった瞬間はなかったの? ぶっちゃけ1回くらいあったでしょ?”だって」 絢「……」 蒼「……」 絢「……」 蒼「……」 絢「あの、アオイ先輩」 蒼「ん?」 絢「それ、見間違えとかじゃ……」 蒼「残念ながら本当にこう書いてあるよ。最後には“ぶっちゃけトークよろしくヽ(´▽`)ノ♪ 佑紗より”って書いてる」 絢「そんな馬鹿な……ぶっちゃけトークって、これは最早ぶっちゃけていいレベルを越えてますよね」 蒼「まあいいじゃん。俺もちょっと聞いてみたいし」 絢「え!?(何なのこの企画本当に一刻も早く家に帰りたい……!!)」 蒼「で、どうなの?」 絢「どうって……乗り換えるも何も、私は誰かと誰かをふるいに掛けられるほど偉い人間じゃないですし……」 蒼「ああ、そういうアヤちゃんらしい模範回答もいいと思うんだけど、多分今はそういうの求められてないんじゃないかな」 絢「……え? す、すいません……(ああ、笑顔で圧力かけるのやめてくれないだろうか……恐ろしい……)」 蒼「(あ、なんかアヤちゃんの顔が焦ってる)」 絢「そ、そうですね……ぶっちゃけると、最初にルイと“付き合ってた”時は色々と複雑でしたし、もうルイのことは何もかも諦めた方がいいのかなって思ったことはあります……けど」 蒼「けど?」 絢「ルイのことを忘れるためとか、そういう目的で他の人に目を向けたことはない……ですね」 蒼「ふーん、そっか。でもアヤちゃん達って1回別れたじゃん?」 絢「まあ、そうですね」 蒼「で、その直後からカケルがアヤちゃんにうざ絡みするようになったでしょ?」 絢「そうですね。あれは正真正銘のうざ絡みでした」 蒼「だろうね。でもカケルって顔面だけは優秀じゃん? 彼奴には何も思わなかったの?」 絢「ただの変態男としか思いませんでした。あと、なんでそんなにチョコレートばっかり食べてるんだろうとも思いましたね」 蒼「ああ、彼奴は糖尿病になるのが夢だからね」 絢「え!?」 蒼「嘘だよ」 絢「……(嘘かよ!!)」 蒼「でもアヤちゃんって強いよね、色々と」 絢「いや、なんか怖いので遠慮しときます」 蒼「あ、そう?」 絢「はい」 蒼「……」 絢「……」 蒼「……あ、」 絢「なんですか?」 蒼「俺さ、今アヤちゃんに“首付近舐められた後もカケルと普通に接してるなんて凄いよね”って言ったけどさ」 絢「はあ、そうですね……っていうかとりあえず“舐められた”連呼するのやめてもらえますか」 蒼「あー、ごめんごめん。でも、よく考えたらそれって俺に対しても言えることだよなあって思って」 絢「……へ?」 蒼「今はこうやって普通に喋ってるけどさ、考えてみれば俺って、カケルがやったよりも更に酷いことをアヤちゃんに色々と――」 絢「だからそれは触れてはいけない歴史ですってば!!」 おわり。 |