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副長と高杉の仲を知ったのは、
もう随分と前のことだ。
仕事でというのは知っていた。

いつしか、俺は副長の変化に気付いた。

副長は月が満ちる度に高杉との逢瀬を繰り返している。
二人は何度同じ月を見上げたのか。
確かに見た、満月の下、寄り添う二人。
監察でなければ…否、俺でなければ気付かなかっただろう。
彼の人が好んで吸う煙草の香り、
若干癖のある足音、
全てが俺の焦がれていたもの。
間違える筈がない。
だけど所詮俺は部下。
悟られるようなことがあってはいけない。

報われない、なんて今更過ぎること。

だけど俺は願ってしまう。
月が満ちるのが、少しでも遅くなってくれれば、と。


分かるのだ。
きっと彼は出ていく。
本人はまだ悩んでいるようだが、
これは感だ。
俺だって、伊達に監察をやっているわけじゃないのだ。
彼は絶対に出ていく。

だから少しでも、
ここに居てほしいのだ。

だけど夜空を見上げれば、
丸にほぼ等しい月があって、
あと1、2日で満月なるだろう。



もうすぐ月は満ちる。





どうかその時まで
貴方を想わせてください。





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