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万高



「すまぬ、明日は用事が…」

日頃の態度の罰なのか、
たまには素直になろうと誓った恋人の誕生日にその恋人が用事をいれやがった。

しかも部活。
恋人と部活どっちが大事だよ!
そんなベタなことを言うつもりもないし、奴が部活に力を入れているのは知ってる。

だが気に入らないのは部活の内容だ。

「カラオケ行って焼肉行って先輩の家にお泊まりでござる」

次の日は学校でごさるからしてお泊まりは断ったが…

眉を下げてそう言った万斉に八つ当たりで頭突きをした

「いたっ」


本当は部活なんかより
俺を優先してほしい
恋人の誕生日くらい素直になりたい


「河上にも我慢の限界があるだろ」


土方に言われた言葉
分かってるけど素直になれない
万斉に甘やかされて、我が儘で

それさえも万斉のせいにする
自分が嫌になる

「晋助?」

何も言わない俺の顔を万斉が覗き込んできて、目が合えば、不安な気持ちを見透かされそうで怖かった

「…晋助」

体温の低い万斉の手が頬に当てられて
否応なしに目が合う

「…主に泣かれると困る」

「…、泣いてないだろ」


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