>> 5月5日

土山



ゴールデンウィークだから学校は休み
毎年、このイベントだけは女の子に譲らないで俺が土方さんを独り占めするんだ

去年までは「近所の山崎」として祝っていたが今年は違う。
今年は!今年からは!「恋人の退」として祝うんだ!ずっと土方さんが好きで、でも男同士だし、悩んでたけど、いきなり土方さんに抱きしめられて告白されて、その時は嬉しすぎて死ぬかと思った。

絶対に叶わないと思っていただけに、
喜びも大きかった。

告白されて俺は思わず泣いちゃって、それで土方さんが慌てたり、いつも相談に乗ってくれてた高杉が俺が泣いてるのを見て土方さんを殴ったりいろんな事があって、すごく楽しくて、幸せだったけど、

付き合ってしまうと欲張りになっちゃって、土方さんとキスしたり、…エッチしたりもしたくって、土方さんが俺に気を遣ってくれてるのは分かるけど、やっぱり物足りなくて、好きだから触れてほしくて、でも恥ずかしくて誘えないし、引かれたら困る
それでまた高杉に相談したら

「そんなヘタレとは別れろ」

って言うし、(高杉は何故か土方さんを嫌ってる)いろいろ悩んで銀八先生にも相談したらしたで…

「あぁ見えて多串君はむっつりだし」

首にリボン巻いて、プレゼントは俺です!とか言っとけば一発だろ

と言われた。
先生の方がむっつりだと思う。
でも今の状況じゃそれくらいの気持ちでいかないと土方さんと…え、エッチできないのかもしれない。

その日の学校の帰りにリボンは買った…けど別にリボンは着けなくてもいい気がして、その日はとりあえず引き出しにしまっておいた。

プレゼントは他に用意してある
マヨ型ビーズクッション…
何を渡せばいいか分かんなくて
悩んでる時に出会って、即決した。
恋人に渡すには色気がないような気もしたけど、実用的だし、俺だったら嬉しい。

可愛くラッピングしてもらったそれになんとなくリボンを巻いて、残りを携帯のストラップに結んだ。

時計を見るともう約束の時間が迫っていて、慌てて準備をして、プレゼントとほんの少しの期待を持って家を出た。

土方さんとひとつになりたい、そのためには俺も積極的にならなくちゃいけない。決意を込めたリボンをひと撫でしてから玄関を出た。


土方さんの家はすぐ近所で、歩いて5分もしないうちに着いてしまう。
ドキドキしながらインターホンを押した。初めて来たわけじゃないのに緊張した。

「あー、とりあえず入れ」

ドアを開けた土方さんも照れくさいのかぶっきらぼうに部屋に案内してくれた。

部屋に入ってベッドに土方さんと並んで座った。…どうしよう恥ずかしい!このベッドっていつも土方さんが寝てるやつ…考えちゃだめだ!とりあえずお祝いしないと!

「えと、お誕生日おめでとうございます!これ、プレゼントです」

リボンの巻かれた包みを渡すと土方さんは喜んでくれた。心なしか顔が赤くて、俺まで恥ずかしくなった。

「サンキューな」

……………

お互い照れて何にも言えない。
何か話題は無いかと考えていたら、
土方さんが急にこっちを向いた

「キス、してもいいか」

そう言われて俺は真っ赤になってしまった。まさか土方さんから言ってくれるなんて。嬉しくて涙目になってしまった。もちろん、ダメなわけがない。俺だってしたかったのだから。

俺はこくこくと何度も頷いてからそっと目を閉じた。土方さんの顔が近付いてあと少しで唇が触れる、

「邪魔するでござる」

と思ったら、高杉と河上が部屋に入ってきた。土方さんと俺は驚いて離れてしまった。

「…土方」

高杉は俺を見たあと、
低い声で土方さんを呼んで、

思いきり殴った。

土方さんと高杉が言い合っているのをみながら俺はため息をついた。

「あとちょっとだったのになぁ」

「晋助は主が心配らしい」

ああいう事をするにはまだ時間がかかりそうでござるな

河上の言葉を聞いて、再びため息をついてストラップに結んだリボンを撫でた。





…ていうか独り占めすらできてない






おめでとうしろう!
見事に遅刻ですね!
久々に万高風味を出してみました
山崎のDTっぷりが出せていれば成功です
今度土方視点やら何やら書きたいです



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