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土山



5月5日

部屋の前に大きな袋があった。
(心なしか動いてる気がする)

丁寧にラッピングされ、
サイズはこう…
人が入れるようなかんじの。

「………」

とりあえずスルー。
無視して障子を閉めた。
暫くそのまま机に向かっていると


「ガサガサ」

外から謎の音が聞こえた。
不審に思い俺は障子を開けた。
相変わらず袋はあった。
というか、謎の音は
明らかに袋から聞こえている。


仕方なくラッピングを外し
袋を開ければ…

入っていたのは山崎だった。

「むーっ!」

口元にはガムテープ、
腕はご丁寧に後ろで縛ってある。

「…総悟か。」

ガムテープを外しながら聞く。
まぁ犯人は分かりきっている。

「痛っ…はい。まぁ…」

はっきりしない返事だが
本人が気にしていないなら
こちらが気にすることもない。


今日は忙しい。
山崎を構いたい気持ちはある。
だがやるべきことは仕事。
たとえそれが誕生日だとしても。

知っているのだ。
山崎が言いたいこと、
総悟がしたかったこと。


俺は再び机に向かった。


「…俺、お茶煎れてきます」

気まずさに耐えかねたのか
山崎は部屋から出ようとした。

「いいからここに居ろ」

「え…あ、はい。」

山崎は一度開けた障子を閉めて
その場に座った。

「退、ここ」

胡座をかいている脚を指す。

「えっ…あの、」


「いいからここ」



―お前は俺のプレゼントだろ。



「副長…解ってたんですか…」

「ん、だからここ。きて」

「……はいよ。」






ハッピーバースデー、俺















おめでとうしろう!
書き終わったー!
なんかぐっだぐだですが
一応フリーです。
どうぞお持ち帰りください。
次は万斉!

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