>> ピノキオ

佐政
すこしアレ



じっと見つめていても、
状況はなにも変わりません。
あぁ神さま、何が悪かったのでしょう

「…もう別れる」

へそを曲げてしまった俺の可愛い恋人は、一度言ったことは決して曲げない素晴らしい人です。そんな彼に対して、情けないことに俺は困り果てて何も言えません。

俯いてしまった彼に手を伸ばそうとしたけれど、こんな時に限って俺の腕は動いてくれないのです。

ああ、どうか泣かないで、
別れるなんて言わないでほしい


「…嘘だよ、あいしてるぜ、佐助」


すると俺の思いが伝わったのか、
彼は涙目ではありましたが、笑ってくれました。その笑顔で俺はとても嬉しくなりました。彼にはきっとなにか特別な力でもあるのでしょう。

もちろん俺もあなたを愛しています
なのにこの腕は、なぜ動かないのか
この声はどうして届かないのか

あぁどうか神さま、
俺の願い事を叶えてください


彼にこの愛を伝えるための声が、
彼をこの胸に抱くことのできる腕が、
俺には必要なのです。



そうすれば俺にもきっと
彼を喜ばすことができるでしょう







その時を楽しみにして
ガラスケースの中から願っています
















雰囲気で読んでくだされば幸いです
続くんですかね




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テーマ「人外ファンタジー」
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