>> さらばオーツー 佐政 些細なことでけんかになった。 柄にもなく泣きそうになって、俺は何も言わずに政宗から離れた。自棄になってアパートからも出て、バイト先の大将の店に住み込みで働いた。 政宗は寂しがっているだろうか。 政宗が大学に行ってる間に荷物を取りに行った。部屋は片付いていて、ちゃんと過ごしているようで安心した。 それでも、少し寂しかった俺は仲直りの方法を考えはじめていた。どうやって話を切り出して、どうやって謝るのか。政宗は素直じゃないところがあるから、俺から謝らなきゃ。ごめんって謝って、抱き締めて、キスもして、たくさん好きだよって言うんだ。 考えていたら、 政宗に会いたくて堪らなくなった。 俺は、きっと政宗に依存してて、 政宗がないと生きてられないんだ。 まるで酸素みたいに、 失ったら、死んでしまう 帰り道、道路の真ん中に赤いボールが転がっていた。トラックの音と、小さな足音と誰かの叫ぶ声が聞こえた。 何かを伝えたくて、 軋む躯で俺は深く息を吸った。 さらばオーツー |