>> チョコとココアの関連性

幸→佐政
政宗不在



普段なら仕事に行く佐助が、今日は朝からキッチンにいた。

最近、佐助は女遊びをやめた。
否、政宗殿と付き合い始めてからか。
佐助は政宗殿のおかげで変わった。
優しくなったように思える。
それは、他人にも自分にも。

きっと今日も政宗殿の所へ行くのだろう。

政宗殿といる佐助は本当に幸せそうだ。

俺はそれを嬉しく思うと同時に、政宗殿を羨ましく思った。

俺は、佐助を拒んでしまったから。
昔、俺たちが学生だったころに、俺は告白され、佐助に言ったのだ。

気持ちが悪い、と。

それからも俺たちの関係には特に変化は無く、今もこうして同じ部屋に住んでいる。
だが佐助は変わった。
女遊びが激しくなって、あまり感情を表に出さなくなった。

そんな佐助を俺は止めてやれなかった。
過去に自分がしたことを考えるとそんな権利はないような気がして。

それが逃げているだけということには気付かないふりをした。

俺は臆病者で、
ただ今更になって佐助を想って、
政宗殿を羨んで、
佐助の幸せを願うふりをして、
自分をきれいな人間にしようとしている。


そんな汚い人間なのに、
嫌いになれないことに自嘲する。



「旦那、寒くない?」

いつの間にか佐助が側にいて、両手にマグカップを持っていた。

「飲もう?あったまるよ」

その一つを差し出して席に着いた。

飲んでみるとそれはココアだった。
その意味に気付いて佐助を見てみれば、
佐助は穏やかな笑顔をうかべていた。

「旦那、俺様は今さ、すごく幸せなんだ。だからね、旦那は何も気にしないで」

そう言って笑う佐助は本当に幸せそうで。

「あぁ。…ありがとう」

今度こそ、
心からふたりを祝福できると思えた。




佐助からのココアは甘かった。


だがきっと、

チョコレートよりは甘くないのだ








「…想いの差、といったところか」





幸佐好きです。
ゆっきーはNotわんこです。
Sです。だけど幸政は書けません。
なぜか。





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