「母さん、おはよう。ご飯なにー?」

「あら、ツッ君、おはよう!もう出来てるわよ〜!やっぱりナッちゃんがいるとツッ君も早起きさんねぇ」

「そういう訳じゃないけど……あれ?奈都姉は?」

「ナッちゃんなら…」

「……?」



ほら、そこにいるわよ、と母さんが指差した方を見るとリボーンとビアンキ、ランボ、イーピン、それとフゥ太と仲良くご飯を食べていた。
朝は忙しい母さんの代わりにランボ達の世話を焼いてるみたい。



『ほら、ツナも早く食べちゃいなよ!……と、ランボ君、ほっぺにご飯粒が!』

「どこ〜?」

『ここ!…ほら、取れた!』

「……オレ、顔、洗ってくるよ」

『了解!待ってるね!』

「奈都も卵焼きを食べるんだもんねー!ランボさんのあげる〜!」

『あはは、食べさせてくれるの?ありがと!』

「うん!オレっちが食べさせてあげるもんねっ」

「気安く奈都に手ぇ出すんじゃねぇぞ」

「ぐぴゃ!」

『ちょ、リボーン君!?』

「うぅ、ひっく…ランボさん、泣かないもんねっ!うぅ、奈都〜!」

『いい子、いい子!偉いね、ランボ君!』

「……!!」



なっ!!ランボの奴、奈都姉に抱きついてる!?
いくら子供だからって……って、オレはオレで一体、何を考えてるんだよっ!
別にいいじゃんか!ランボが奈都姉に抱きついたって!



「奈都、オレは卵焼きが食いたいぞ」

『うん、いいよ!はい、あーん』



奈都姉にあーんしてもらって、もぐもぐと卵焼きを頬張るリボーン。
ちょ!ヤバイって!!奈都姉!
そんな事したら目の前にいるビアンキがどうなるか…!



「ふふ、リボーンったら奈都に懐いちゃって。私、あなたみたいな義妹、欲しかったのよ」

『妹ですか?』

「えぇ、私にも可愛い弟がいて……、あぁ、ツナと一緒のクラスだから知っているかしら?」

『ビアンキさんの弟さんって誰なんですか?』

「ふふ、分かっていないようなら今度、紹介するわ。それまで楽しみにしていて」

『はい!』

「……」



義妹!?
…と言うことはビアンキ、獄寺君と奈都姉を結婚させて義妹ゲット計画を立ててるのか!?

獄寺君と奈都姉。
獄寺君は昨日から奈都姉に服従しっぱなしだし、態度は不良からころっと紳士になっちゃったもんな。
奈都姉はドン引きしてたけど、獄寺君ってかっこいいし、もしかしたら、いつかは……



"ツナ!実は私、彼氏が出来たんだ!"

"嘘ーっ!?だ、誰なの!?"

"紹介しようと思って連れて来たよ!"

"え…?"

"じゅ、十代目!報告が遅くなって申し訳ありません!!実はオレ、奈都さんとお付き合いさせてもらってるんです…!!"

"隼人ってば、そんなに畏まらなくても"

"で、ですが!"

"敬語は禁止って、いつも言ってるでしょ?"

"う……、ですが、奈都さん…"

"奈都って呼んでって言ってるのに、もう!"

"す、すみません…っ、いや、その、悪かった、…奈都"

"……ふふ、許す!"

"…ー…っ"




……みたいな?
獄寺君は真っ赤になっちゃってさ。
で、奈都姉はそんな獄寺君をからかって、じゃれついて、オレなんて眼中になくて二人の世界が繰り広げられる、と。



「…ー…!!」



わーっ!なしなし!絶対ダメだって!!
というか朝から何、妄想してんの、オレ!!

頭にぐるぐる回る獄寺君と奈都姉の妄想をどうにかしたくて冷たい水でバシャバシャと顔を洗った。
妙に火照った顔が一気に冷えると大分、落ち着いた。
しっかり顔を拭いて、リビングに戻るとフゥ太がお茶を運んでいた。



「奈都姉ぇ!お茶、持ってきたよー!」

『あ、フゥ太君、ありがとう!』

「居候させてもらってるんだもん、これくらい当たり前だよ!それにツナ兄のお姉ちゃんなら僕のお姉ちゃんでもあるし!」

『私もフゥ太君が弟だったら嬉しいな!』

「わーい、奈都姉、大好き!」

「んなー!?」



どういう理屈なんだよ、フゥ太!
つか、奈都姉の弟はオレなんですけどー!!



「…〜…ッ!!」



何でだろう、何かすっごく面白くない…!!
モヤモヤするっていうか喉に何かが詰まってるような感じがする。

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