「青峰くんってさ、私の告白、胸で決めたの?」

「はぁ?なんだよ今さら。当たり前だろ」


何バカなこと聞いてきてんだとでも言いたげなその顔に、続く言葉も出ない。


「いきなりバスケ見て好きになりました、付き合ってください。なんて知らない奴に言われて、何を基準に決めるかっつったら、おっぱいだろ」

「えー……」

「お前だってオレのことバスケで好きになったんだろ。オレがおっぱいでお前好きになって何がワリーんだよ」

「うーん……」


それで丸め込まれちゃっていいものか。


「お前、おっぱい小さかったらオレと付き合えてないんだぜ」

「……そっか、そうだよね」

「そーそー」


私の胸、よく育ってくれてありがとう。
褒めるように谷間当たりを手で叩くと、青峰くんがそれを見ながら呟いた。


「ーーほんと、デカくてよかったわ」

「え?」

「デカくなきゃ、お前と付き合おうなんて思わなかったし」

「……それって……つまり、とりあえずでも付き合って、私のこと知って、今付き合ってて良かったなぁって、思ってくれてるってこと?」

「さぁな」


こうやって青峰くんがはぐらかすのは、自分に都合が悪い時だ。
つまり、図星だったってことで、つい笑みが零れる。


「私も、さつきちゃんに誘われて、試合見に行ってよかったよ」


そこで青峰くんがバスケしている所を見なければ、青峰くんと関わることなんかなかっただろうから。


「あー、腹減った」

「じゃ、なんか食べに行こっか」

「おー」


青峰くんとこうやって過ごせる毎日が、とても愛しくて大切だ。


(20120908)
×