※あからさまな表現がすこしありますので苦手な方は注意してください なにがしたいのかなあ、と思うときが、多々ある。 それはたとえば自分がなにかしら小さな傷を負って、それが彼にばれた(といっても、別に隠していたわけではないのだが)ときだとかに、すごい殺気とともに俺を睨んだかと思ったら、その晩はひどく優しく抱いてきたりだとか、またあるいは、俺が仕事をしているときにわざわざやってきて、何も出来ないよ、と言ったときには頷いたくせに、すぐに俺を引きずって行ってそのままベッドに押し付けられた(おかげで仕事が遅れて、俺は四木さんに酷く皮肉られた)ときだとかに、強くそう思う。 何を考えて、どうしてそんなことをするのかわからない。そもそも気を使うくらいなら初めから抱かなければいいのに、と思う。何も出来ないよ、と断って、一度は頷いたのにどうしてわかったふりなどするのだろう。どうして、感情の制御ができないのだろう。まるで獣のように、本能のままに動く彼に、俺は疑問が絶えない。まったくもって理解できない。(したくも、ないけど) そして、今も。シズちゃんは、テレビを見ていた俺の前につっ立っている。おかげで何も見えない。あのくだらないバラエティが見たかったわけではないけれど、自分がしていることをこの男に邪魔されるのは、心底嫌いだ。なにがしたいんだ。意味が分からない。 「シズちゃん、邪魔。見えないんだけど」 わざとらしく皮肉を込めて、テレビを覗き込むように体をずらすと、シズちゃんもそれに付いてくるようにして少しだけ足を開いた。なにこいつ。うざい。 「ねえ、何?何のまね?今日喧嘩する気分じゃないんだよ、俺。疲れてるし…」 そこまで言って、ふと、目の前にある静雄の股間に目が行った。ここで俺の名誉のために言わせてもらいたいけれど、決して見たくて見たんじゃない。シズちゃんが俺の目の前に立つもんだから、嫌でも視界に入ってくるのだ。 それは、怒張していた。ズボンに見事なテントが張られている。わーい、今日はキャンプかな?やったね!……なんなんだろうね、ほんとに。 「シズちゃん……君……」 「…てめえがよお、悪いんじゃねーか、ああ?」 心の底から冷め切った声をだしながら(ほんとに引いた。)ゆっくりと視線を上げると、シズちゃんは歯を剥きながら、唸るように言った。俺が悪いって?何を言い出すんだ。勝手に勃起させてるくせに。とんだ濡れ衣だ。 「あついあついってよお、エアコン効かせまくってるくせに、なんだ、その格好…」 びし、とシズちゃんが俺を指差した。人を指差してはいけません。ならわなかったの? まあこんな常識的なことをシズちゃんに言ったって、どうせわかりやしないだろうけど。 「なんでお前、俺のパンツはいてやがるんだ?なあ臨也くーん?」 シズちゃんは、ソファに座っている俺の右足を引っつかみ、開いた手で俺の履いているシズちゃんのパンツのウエストを引っ張った。ぬげるぬげる!ぬげちゃう! 「え〜だって俺の短パン洗濯しちゃってないんだもん〜シズちゃんのトランクスちょうどいいんだもんこれ。」 「もんじゃねえ!あーこれどこいったか探してたやつじゃねえかよくそ、ふざけんな!脱げ!」 「やだってば!ひっぱんな!つか、これに欲情してるくせによく言うねシズちゃん!」 両足を持ち上げ、シズちゃんが足の間に割って入るように体を割り込ませてきた。俺の脚を肩に引っ掛けると、自由になった両手でパンツを下ろそうとしてくる。はたからみたらこれすごい光景だろうなあ。 「ちょっと、あんま足上にしないでって!!俺この下なんも履いてないんだから!」 「はあ!?おッ前……なにしてえんだよほんと!」 「普通パンツの下にパンツはかないじゃん!あと、勃起させてるのに何いってんのって話なんだけど!」 ぐい、と体を突き放すように腕を突っ張ると、シズちゃんはぴたりと動きを止め、俺をじっと見た。嫌な予感がする。すっごく嫌な予感がする。シズちゃんがこういう顔をするときは、なにかすごく嫌なこと思いついたときだ。 「臨也お前……もしかして…」 「………」 「誘ってんのか?」 「ふざけんな!」 がつん、と渾身の力を込めてシズちゃんの顔面を殴った。本気で殴ったのに鼻血の一滴もでることなく、むしろ俺の拳のほうが重症だと思うくらいには痛い。どんな皮膚してんだ。蹲って(といっても足はシズちゃんに掴まれてるから、顔を俯かせることしかできないが)痛みに耐えていると、シズちゃんが額にキスをしてきた。今更ながら、シズちゃんにも我慢ができるようになたんだなあ、俺がんばったなあ、と思う。いつから勃起させてたんだろ。俺は風呂上りからずっとこの格好なんだけど。あ、でも入れ替わりで帰ってきたシズちゃんはお風呂直行したから、そんなに我慢してたわけでもないか。 臨也、臨也、と名前を呼ばれて顔を上げれば、シズちゃんが唇に吸い付いてきた。下唇を撫でるように舐められて、自然口が開いてしまう。まってましたと言わんばかりにシズちゃんは舌を潜り込ませてくる。酸素を全部奪うように口内を舐め回され舌を吸われると、どんどんおかしな気分になってくる。 流される、と思ったときには、もう遅いのだ。 # 何を考えてるのかわからないときが、よくある。 それはたとえば、べらべらよく動く口を無視して外を眺めていたときに、つられて外を見た臨也が一瞬目を見開いて、その後話さなくなったと思ったら妙にしおらしく、別に女の子がすきならそうすればいいいじゃないか、と呟きながらナイフをさしてきたりしたときとか、自分はナイフで遠慮なく刺すくせに、俺が喧嘩売られて怪我したと聞いた途端その喧嘩打ってきた相手(なんだったかは忘れた)に新羅いわくありえなくむごい報復をしたりするときとかに、感じる。 何を考えてるのか全然わからない。構ってほしいなら素直にそう言え、と言えばまたイライラする言葉ばかり投げかけてくることは承知の上だ。(一回経験済みだ。イライラした。) 「うわあ、もうこんなガチガチ…ほんとに興奮したんだねえシズちゃん…?」 ソファに座った臨也は俺の履いているスウェットをぐい、と下ろすと、随分前からきつかった股間を寛げた。興奮している。こいつが、こんな格好をしているから。(何考えて、こんなことしてんだろうな、ほんと) 「……俺、シズちゃんは何考えてるかわかんなくて嫌いだけど、こっちは分かりやすいからすきだなあ…」 陰毛を梳かすように手を這わせ、臨也は股間に顔を埋めて静雄の完全に勃ちあがった性器に頬擦りをした。細い指が膨らんだ竿をすべり、雁首に到達すると、くびれをなぞる様に指が一周する。尿道口に指を押し当てると、カウパーがぬるりと指先を濡らした。指を離せば、つう、と糸が引く。白っぽく濁ったその糸を、弄ぶようにぴたぴたといくらか指をつけたり離したりした後、臨也は濡れそぼった指を口に含む。 「…焦らしてねえでさっさと銜えろ」 「は、さいてー…ん、んぐ…ぅ…」 いつまでも自分の指を舐めている臨也に痺れを切らし、静雄は強引に臨也の黒髪を掴むと自らの性器へと押し付けた。無理に押し込まれた所為で喉奥を突かれたようで、臨也は涙をうっすらと浮かべている。それでも性器を離さず、吸い付くようにじゅるじゅると音を立てた。どうやら臨也のほうも高まっているようで、静雄を攻め立てる手は容赦がない。睾丸を揉みしだき、射精を促すように下から上へしごきあげる。臨也のそんな動きに、静雄は顔を顰めると、臨也の頭部を掴んでいた手に力を込める。喉で締め付けるようにしながら先走りと唾液を飲み込む。必死に性器を扱き上げる臨也を見つめながら、静雄はどんどんと追い詰められていった。 「んぶ、……んぐ、ん、…はっ…」 「い、ざや」 「ん、ん、だひていいよ」 臨也は、べ、と口から性器を出すと、亀頭に舌をつけ、ぐりぐりと押し付けるように舐めた。尿道口をつつけば静雄の腹筋が震える。どくどくと、精液が臨也の舌の上へ零れ落ちた。熱い飛まつが飛び散り、頬を濡らす。 「う……ん…濃いねえ…は、そんなきもちかったの?シズちゃん。かーわいい……う、わっ」 どろりとした白い液体を舌に乗せ、それを見せ付けるように飲み下すと、臨也は静雄を見上げた。自らの額に張り付いた髪を払い、笑ってみせる。そんな臨也を黙って見下ろしていた静雄が、額に置かれたままだった臨也の掌を強く握ると、その体ごとベッドへと押し付けた。小さな悲鳴をあげた臨也が、ソファへと埋もれるような体制になった。 静雄の長い指が、するすると臨也の太ももを撫でた。臨也が短パンがわりにしている静雄のトランクスまでたどり着くと、その隙間から指を入り込ませる。臨也の肢体が小さく震えた。 「お前、ほんとなにやってんの…なんで俺のパンツなんか履いてんだよ」 「……さっき、言ったじゃん。短パン、洗ってるから、」 「うそつけ。いつもはいてるスウェット履きゃいいだろが」 「……あついもん」 静雄から目をそらすように横を向いた臨也の耳を食む。産毛を濡らせば、首筋にしっとりと汗が浮かび上がってきた。 「ふうん?あついから?」 「……そうだよ」 「…あっそ。まあいいけど。」 「なにその言い方、むかつく、う、ひゃあ!」 隙間に入れていた指で、静雄は臨也の睾丸をなであげた。そのままこりこりとそこを刺激し続ける。きゅ、と上がってしまっている睾丸に、静雄はくつくつと笑いを零した。臨也の瞳にじんわりと涙が浮かんでくる。ゆるゆると頭を振ると、臨也は泣き出しそうな声を上げた。 「シズちゃん、…シズ、ちゃん!」 「ん?」 「やだ、もう、そこ、いいから…!」 いいから、ちゃんと触って、と、少しだけ上体を起こすと、臨也は静雄の手を握り、自らの性器にこすりつけた。 「なにしてんの?」 「な、なにって…!し、しずちゃんが、触ってくんないからぁ…!」 「俺が触らないから、俺の手でオナってんだ?」 「おっ…!ひどい、シズちゃん、ひどい……!」 静雄の手を掴んだまま、臨也は本格的に涙声を上げた。そんな臨也に静雄は苦笑すると、臨也に掴まれたままの掌で臨也の頬を撫でる。涙が伝ったそこはしっとりとしていて、熱い。ぐずぐずと鼻を鳴らす臨也に、そっと口付けた。 「触ってほしい?」 「う、う……ばか、ばか!ほしい、ほしいに、決まってる…!あ、ああっ!やぁ」 唇を離し鼻先が付くくらいの近さで問いかけると、臨也はこくこくと何度も頷いた。ひくひくと震えてしまっている足を割り開き、勃起して、トランクスを濡らしてしまっている臨也の股間をきつく握って揉んだ。途端に白い喉をさらけ出しながら喘ぐ。そんな臨也の反応に満足しながら、トランクスを下ろしていく。どろどろになってしまっている性器を直に触りながら、静雄は臨也の太ももを掴み、奥まった場所を蛍光灯の光の下に晒した。そこは先走りで濡れてはいるが、しかしきつく閉じられたままだ。 「や、や…!シズちゃん、この体制やだぁ…!」 「よくみねーと、やりにくいだろ」 「ばか、意味わかんない、いっつも、そんな、しないじゃん!あ、ひぃっ」 尻肉を掴み、そこを割り開くと、それにつられてすこしだけ引き攣りつながらすぼまりが広がった。そのほんの少しの隙間に舌を入り込ませる。静雄は臨也の腰を更に引き寄せ、ほぼ腰が浮いてしまっている体制にする。羞恥と息苦しさと、それから逃れられない快感に、臨也は小さく震えながら喘ぐことしか出来なかった。 舌と共に、指がすぼまりに突き立てられる。腰がぴくぴくと震えた。臨也の性器からあふれ出したカウパーが、臨也の腹を濡らしていく。 「あ、あ、いやあ、いっちゃう、シズちゃんっ…」 「いけばいいだろ」 「やだ、やだぁ!シズちゃんのでいきたい、…シズちゃんで、いきたいっ!」 ぱらぱらと髪を揺らしながら、臨也は艶を含んだ声でそういった。ぞわぞわと、静雄の腰が熱くなっていく。下半身が、重みを増した。 「いてえかもしれねえぞ」 「いい、いいの…!おれ、痛くても、きもちいからっ…!」 「は、とんだ淫乱、だな!」 「ひあ!っ……!あ、ッ」 臨也の腰を腰を掴み、上から突き刺すように静雄は隆起した性器を臨也のやわらかくなったアナルに突き入れた。一気に最奥まで貫かれた臨也は、声にならない喘ぎをあげると達する。臨也の精液が、自らの顔を汚した。 「はは、ところてん、と、セルフ顔射、つうんだっけ…こういうの」 「あ、あ!や、ひゃああ!し、しうちゃ…!しうちゃあ!あぁっ」 「聞こえてねーな…そんなちんこ、うまいか、よ!」 「うやぁっ!あ、いい、いいよお…!すき、おれ、しずちゃんのちんちんすきっ!」 「は、すっげーこと、いうな、臨也…」 ぐりぐりと奥をえぐるように押し込み、震える臨也の腰を掴むと、繋がったまま静雄は臨也の上体を起こさせた。そのまま対面座位の体勢をとると、臨也の薄い尻を掴み上下にはげしく抽出する。臨也はぱくぱくと空気をとりこむようにしながら、声を上げた。腹側のしこりを押しつぶしてやれば、臨也はまた吐精した。ぎゅう、と締め付けてくる臨也の内部は、熱い。 「ふ、ふっ…!う、また、いっちゃ、たっ…!あ、ああ!」 「っ、あー、きもちい」 「あ、あ!あっ、しうちゃ、きもちい?俺のなか」 「きもちい。すげー熱い」 「そっか、よかった、ぁ、ん!ん…おれもきもちい、すごい、あ、すき、しずちゃんすきぃ…!」 「しってる」 静雄の首にしがみつくように抱きついた臨也は、自ら腰を上下して静雄を絶頂へと導こうとする。震える足はなかなか言うことを聞かないようだが、それでも静雄にとっては十分すぎる刺激だった。静雄の、臨也の腰を掴み揺さぶる動きが早くなる。それい合わせて臨也もさらにきつく静雄にだきつくと、耳元に唇を寄せた。 「ん、ん!あ、あー!や、しずちゃあ、あっ…あう、」 「いく、臨也、いくから」 「うん、いいよ、だして、なか、だしてぇ!」 静雄の耳を甘噛みしながら、臨也は身をよじった。静雄の精液が、腹の中を満たしていく。そんな感覚に、臨也はぼんやりと瞳を閉じた。 (こいつは) セックスのときだけは、わかりやすい。 静雄はそんなことを考えながら、臨也の後処理のために風呂へと湯を溜めるのだった。 quarrelxxxのせんのさんへのささげものでした。えろって難しい。もう当分書きたくない。終わり方がいつもどおりの尻切れトンボですいません。つめこみたいものつめこんだら、こんな意味がわからない話しになってしまった… |