小説 | ナノ


「ぃ、あぁっ…やぁっ!し、ずちゃっ!もうむり…っ!」

粘膜がぐちゅぐちゅと音をたて、飲み込んでいる指を濡らした。ソファーにすわったシズちゃんと向かいあうようにして俺は立ち膝を立てさせられ、後孔に指を挿入されている。シズちゃんの尖った犬歯が時折胸の突起を掠めるのがもどかしくて、おかしくなりそうだ。

「ふ、ァ!やあ、つがる……ん、ん、あ!ひゃ、…」

横からは自分と同じ声(断じて俺はこんなに甘ったるい声をだしてるつもりはない)の大きな喘ぎ声が聞こえる。サイケは四つんばいにさせられ、津軽に後ろを舐められていた。はしたなく開いた唇からはとろりとした、これもまた甘そうな唾液をたらしている。それを津軽は目ざとく見つけ、サイケにかぶさる様にすると口付けた。

「臨也くんよォ…余所見とは随分余裕じゃねえか、あ?」
「ち、がっ…!ふ、あ、な、にすんのさ!落ちるっ…ひ、ぅ!や、つねんな、ばかっ…!」

俺が横目で、自分たちとそっくりな二人の、なんとも生々しい(そして死ぬほど恥ずかしい)情事を窺い見ていると、シズちゃんはどうやらそれが気に入らなかったらしい。入れていた指を引き抜くと俺をひざの上で反転させ、後ろから抱きすくめるようにして、尖って赤くなった乳首を抓った。
ぞくりともどかしい快感と、ほんの少しの痛み。そして、シズちゃんに背を向けたことで広くなった視界が捕らえた、サイケの蕩けるような表情と甘すぎて艶を帯びた声。普段は清潔で、素っ気無くて、シンプルなこの事務所は、今や熱っぽい空気をいっぱいに溜め込んだ淫猥な空間へと変化した。
不意に、サイケがストロベリーリキュールのような瞳でこちらを見上げ、濡れててらてらと輝く唇が、こちらが恥ずかしくなってしまうような笑顔を浮かべた。

「臨也くん、かわいい」
「は…?……っ、ひ、!?」

それだけ言うと、サイケは指を入れられたままほんの少しだけこちらへ寄ってくる。四つんばいのサイケは赤く熟れた舌でぺろりと唇を舐めると、そのまま俺の性器を口に含んだ。
はじめから喉の奥まで銜え込み、唾を飲む要領できゅ、と締める。そのあとするすると裏筋を舐め、先端を尖らせた舌でえぐった。

「あ、あ、あ、!さい、けぇっ…!や、だめ…!…も、だめ、そっち、やだ、むりっ…!」
「んー…臨也くんのおちんちん、は、…ひぁっ…あまいね、ぇ。さっきよりもずうっと甘いの。ん、ん、あっ…!ひう、あ…おいしいの…」
「やだってばあ…!ばか、ほんと、あ、んあっ!し、ずちゃっ!ひっぱっちゃだめ…!へんに、なる…!」

サイケのその姿をみた津軽はごくりと喉を鳴らし、入れている指を三本に増やした。目がぎらぎらと輝いている。俺の後ろのシズちゃんも、やべえ、と呟くと、首筋をべろりと舐めあげ、乳首を引っ張った。
舐め続けるサイケと、似合わず繊細に動くシズちゃんの指先にぞくぞくと背筋が粟立った。だめだ、このままじゃ、いっちゃう、

「サイ、ケっ…!」
「ふぁ?つがる…?ん、ん、んー、んむ…!」
「サイケ、かわいい…ほんと、淫乱…」

あと少しで望んだ快感と開放を得られそうだったのに、津軽がサイケを俺から引き離し、膝の上に乗せ口付けると、柔らかくなったサイケを貫いたことでそれは終わりを告げた。俺はまた、びくびくと絶頂寸前で痙攣する体を抱えたままになってしまった。いやだ、はやく、はやく、きもちくなりたいのに、

「し、うちゃんっ…!」
「あ…?」
「も、おねがっ…!胸、も、いいからぁっ!いれて…きもちく、して…!」

胸を柔らかくもみしだいていたシズちゃんの大きい手にすがりつきそう告げる。なにもかもが甘いよう曖昧な感覚の中で、サイケやシズちゃんにすっかり溶かされ、追い詰められた俺の体も脳内も、シズちゃんを求めていた。もっともっともっと、きもちく、してほしい

「っ…臨、也っ!」
「あ、あ、あああ!やあっ!あう、あ、きもちい、よおっ…!」

ずぶり、と挿入されたシズちゃん自身は熱くて、脳内でこぼれた、サイケの撒き散らしたリキュールはさらに蕩け濃度を高くし、俺の快感をダイレクトに体中に伝えた。入れられただけで達してしまった俺をみてシズちゃんは、ひどく雄の香りがする笑みをうかべた。

「えっろ…入れただけで、いったのかよ…」
「ら、って…!さっきから、ずうっと…あ、あ!焦らされて、おれ、もうっ…ひあ、あ、だめ、そこ!や、や!」
「なにがやなんだよ、こんな、えろい顔、しといて、よっ…!」
「だからぁっ…よすぎて、へん、なる、からぁ…!やなのっ…!」

自分がなにをいっているか、もはやあまり理解できていない。耳元で、シズちゃんが切羽詰ったように、くそ、と悪態をつき、動きを早めた。
揺さぶられる脳内は、甘い香りと、それからしびれるようなシズちゃんのタバコの香りとで充満していて、俺はそのまま、自分の本能とシズちゃんの体温に身を任せ、あえぎながら目を閉じた。



目が覚めたら、サイケが俺に抱きついたままくったりと気を失っていて、シズちゃんと津軽はそれから一週間、俺の事務所に近づくことを禁止にしたのは、それからすこし後の話だ。




(サイケ、ごめんなさい、は?)(…ごめんなさい)(よーし。)(…臨也くん)(ん?とうぶん、ちゅーは禁止だからね?)(うう…)(…手前だって楽しんでたくせによ…)(ん?シズちゃんなんかいった?殺すよ?)(…ちっ)(臨也、こわい…)(津軽、お前も、だまれ)







キノコさんリクエスト、みんなで!の続きでした〜ほんと、書く書く詐欺すいませんでした…
鬼畜津軽と静雄、の予定だったのですが、サイケたんと臨也が…でばってしまって…すいません;ω;
ありがとうございました〜!


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