ろぐ | ナノ
「あっ、やば！めちゃめちゃカッコいい恵ちゃん撮れた！」

「……」

「どうしよう、待ち受けこっちにしよっかなぁ…。でもこの笑ってる恵ちゃんも捨てがたいんだよね…」

「……」

「ねえねえ恵ちゃん、待ち受けにするならどっちの恵ちゃんがいいと思う？」

「知るかよアホ桃乃！」

「あっ、アホ！？……恵ちゃんになら何言われても嬉しいっ」

「お前アレだな、末期だな。ちょっと精神科行ってこい」

「恵ちゃんが一緒に来てくれるならわたしどこへでも行くよ」

「……お前よー」

「なあに？」

「そんなんだから彼氏できねーんだよ」

「彼氏なんかいらないよ？」

「高２の女が言うセリフかよ…」

「だってわたしが好きなのは恵ちゃんだけだし！」

「…なんで俺なんだよ。もっと他にもいんだろ？若菜とか新庄とか…桃乃顔だけはいいんだぜ」

「だ、だけ？」

「俺みたいな女癖のワリー奴はやめとけ」

「…んー、わたしもね、恵ちゃんいっつも女の子とっかえひっかえしてるからさぁ……悲しい思いしてるけど…」

「……」

「…なんでだろうね？やっぱり好きなんだよ、恵ちゃんのこと」

「…桃乃」

「……でも他の子たちと同じはヤだから、いつか恵ちゃんがわたしのこと好きになってくれたら、そん時は付き合ってね？」

「なあ」

「ん？」

「キスは？」

「え？」

「キスはダメか？」

「えっ、け、恵ちゃん…？だ、ダメに決まってるじゃん、そーゆーのは好き同士が…」

「だからすんだよ」

「…へ」

「…女とは全員切るから。だから、キスさせろ」

「そんなの信用できな…い。それにキスなんて全員と切ってからでもできるじゃん…！」

「今」

「え」

「今、してーんだよ。…必ず切る。約束だ」

「……けいちゃ、」

「だからもう黙れ」



(…恵ちゃん、わたしと付き合ってくれるの？)(…まあな)(ぜったいぜったい、浮気しない？)(…さあな)(！！)(冗談だっつの、バーカ)
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