ろぐ | ナノ
『もうっ、まーたこんなところに集まって!』



腰に両手を当て、仁王立ちで声を張り上げたのは長い髪を揺らす女教師だった。
そんな彼女を見て、ぷかぷかとふかす煙草を隠すこともなく、いかにも、な身なりをした男子生徒数名は嘲笑うような声を出す。



「なんだよ、桃乃かよ」
「あぶねーあぶねー、もうちょっとで1本ムダにするところだったぜ」
『高校生が喫煙すんな!ってゆーかまず桃乃って呼ぶなよ!担任の先生なんだから私は!』
「担任だァ?見えねーっつーの!どっからどう見てもタメだろ!なあ?」
「ぎゃははは!」
『なんだと若菜コラァ!つーか笑うなよ桧山!』



いくら彼女が怒鳴ったところで彼等はまったく怯まず、むしろさらにからかう勢いであった。
なので彼女も担任として、いや、年上としてなんだか癪(しゃく)に触り、むっとするのである。



『ほら、授業始まってるんだから、さっさと教室戻るわよ』
「オメーの授業だろ?他の奴等は何してんだよ」
『よくぞ聞いてくれた関川くん、今2Bのみんなには申し訳ないが自習にしてもらってるんです。つまり、あんたらが帰らないと皆に迷惑がかかるの!だからはやく行きなさい!』
「あーあー、うっせーなーチビ桃乃はよー」
『チビゆーな!』
「体つきだけはえろいくせになーチビ桃乃はよー」
『だからチビゆーなって!』



文句を言いながらも彼等は屋上から出ていった。担任の言った通り教室に戻るのだろう。
そうして彼女自身も戻ろうとしたところで、まだ1人残っていることに気付く。


今まで黙っていたが、確かな存在感を放っていた。



『…安仁屋くん、あんたも教室戻ろうか』
「なんでだよ」
『それが規則(ルール)だからに決まってるでしょ!』
「やだね」
『やだねじゃない!』
「お前がヤらせてくれたら戻ってやるよ」



そう言って、桃乃の腰に回した手に力をこめぐっと引き寄せる安仁屋。
そうなると必然的に2人の顔は、近付くのである。


桃乃からしてみればいくら生徒と言っても相手はこの美形、少しばかり照れはある。
だけど立場上そんなことはあってはならないので、いつものごとく平静を装う。



『またそんなこと言って…。安仁屋くんには八木さんがいるでしょ』
「あんなガキ相手にできっかよ」
『どうでもいいけどこの手離して。屋上ってけっこー校舎から見えるんだから』
「よォ桃乃、それって見えなきゃオーケーっつーことかよ?」
『なっ、ばっ、ちが!』
「つまり押し倒せばいんだな」
『安仁屋っ、やめなさ、わあっ、』



桃乃の抵抗もむなしく、あっさり安仁屋に押し倒され馬乗りされてしまった。
そんな彼女を見下ろし彼はいたずらに笑う。



『教室でみんながっ、』
「自習だろ?その方が喜ぶぜ」
『ダメダメ!ほんっとヤバイんだって!こないだだって保健室で危なかったじゃないっ』
「へーきへーき」



根拠などない。が、安仁屋の手は止まらなかった。



「イイ事しよーぜ、先生?」



(あー…また流された…バレたらクビだ…!)(バレなきゃいーって)(…あんたは若いもんね。いーね若いって)(無職んなったら俺んとこ来い)(…プロポーズ?)(おー)(……まだ17じゃん)

────────────
110718//なんてこった!ドラマ見てたらつい!うっかり!…書いてしまいましたてへっ←
安仁屋くんが好きです。ドラマの安仁屋くんが大好きです愛しい\(^P^)/
- ナノ -