ろぐ | ナノ
なんとなく、ただなんとなく。



「好きなんだけど」



あたしはそいつに告白した。



「え…まじで?」

「ん」

「…俺も」



そしたら予想外にうまくいっちゃって。



「銀、あたし今日日直だから先帰ってて」

「あー、待つわ」

「いいの?」

「おー。ジャンプ読んでる」



今に至る。



「あ、やば。黒板消し落っこちた」

「気にすんなよ」

「…そだね」

「なあ」

「なに?」

「お前昨日、公園でキスしてただろ」

「は?銀と?」

「違う男と」

「してないんだけど」

「……」

「……」

「……はーっ、よかった」

「はあ?」

「お前嘘つく時すぐ目そらすからな、嘘じゃないってすぐわかった」

「何それ……あたしのこと試したの?」

「ちょっとだけねーん。怒んなよ」

「…ありえない」



……ほんっと、ありえない男だ。勘のいい男はあんまり好きじゃないんだけど?
まさか本当にあのキス見てたわけじゃないよね…


はあ、危ない危ない。目そらさなくてよかった。



「教室でチューって燃えね?」



返事をする間もなく塞がれた唇。


告白したのは、いい加減フリーに飽きたから。
相手が銀だったのは、見た目も中身もいいプラスあたしのことを好きって本当は知ってたから。


ぶっちゃけ、適当に選んだ。恋愛感情?そんなもんあるわけないじゃん。



…こんなん聞いたら、銀のファンは怒るだろうな。(コイツなにげにモテるし、)
別れろとか言われるかもしんないけど、まだ別れないよ。



だって、さ



「んっ、」



この熱いキスと、小さなスリルを背負うオツキアイ。



楽しいんだもん。



「あー…俺お前かなり好きだわ」

「…あたしもよ?」



あたしを楽しませてくれる銀(おもちゃ)が大好き。



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110627//こどものおもちゃ

ずいぶんひどい子になっちゃいました(…)
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