『メリークリスマス!』 この言葉から察するに、今日はクリスマスである。朝起きれば枕元にプレゼント、はない。私や臨也ももう16歳なわけでさすがにサンタを信じてるわけじゃないし。そういえばあの時の臨也は可愛かったなぁ。大きめの靴下に入ったプレゼントを両腕で抱えて「サンタさん!サンタさん!プレゼント来たよ!」なんて言いながらトテトテ走ってくる姿はそれはもう、さながら天使のようでした。それが今じゃすっかり悪魔になっちゃって時の流れとは本当に怖い(うむうむ)。 「莉子が午前中に起きてる」 『クリスマスだからね!臨也今日何か予定ある?』 「無いけど」 『うおお珍しい』 よく考えると臨也と私がクリスマスに揃うのなんて久しぶりだ。いつもはお互い何かしらの予定があるから翌朝一緒にケーキを食べるぐらいだけど、どうやら今日はお暇なようで。 『臨也、暇ならクリスマスツリー飾ろうよ』 「ええめんどくさい」 『じゃあ臨也ツリー見ないでね一度たりとも視界に入れないでね』 「やな性格」 『結構!』 「誰に似たんだか」 うわーそれ臨也にだけは言われたくない。お前こそその最低最悪な性格誰から受け継いだんだ。まあまた喧嘩になるから言わないけど。私エライ。私オトナ。妹なのに私のが大人っぽいね、ふふ。 「気持ち悪い」 『え?』 「にやけてるよ」 『う、わ。ほんとだ』 「何考えてたの?」 『臨也の小さい頃は可愛かったなーって』 「まあ莉子よりは」 『いや私の方が可愛かったね』 なんだかんだ言いながら臨也はクリスマスツリーの飾りつけをやってくれた。あ、コノヤロウ星持ってやがる!ちょっと星は私がやるの!そう言ったら臨也は「早い者勝ち」とかふざけたことぬかしてきた。臨也は毎回そうだ。私が楽しみにしてることを横取りして。それで泣きそうな私を横からにやにやしながら見てくる。嫌な奴だ。 『…ほんと臨也って』 「何だよ」 『…何にもなーい』 「気になる」 『バカだなって話』 「万年学年2位の莉子に言われてもなぁ」 『それ言うな。だいたい臨也勉強してなくね?』 「してるよ」 『うそー!?私1週間前からしてるけど臨也その時テレビ見てるじゃん!』 「だって俺2日前からやるもん」 『……なんで1位なの』 「元がいいから?」 『一回痛い目あえばいい』 「お前もな」 あ、星飾られた。 メリークリスマス (どうせ君の身長じゃ届かないだろ)(そそそんなことないもん) back |