双子ラプソディー | ナノ



「わたくしたち、」

「僕たち、」

「「梶原ツインズ!!」」



どーんと大きく手を拡げ、まるでフュージョンよろしくのポーズをとる突如現れた2人組。ちなみにここは期末考査の結果が貼り出される掲示板でもっと言うなればお昼休みだからたくさんの人がいる。そんなところでこの2人(えーとたしか梶本?)は堂々と前途のポーズをやってのけたのだ。ある意味すごい。



『…で、臨也くん。本題に入るけどあんたこの子らの知り合い?』

「知り合いじゃないけど…」

『知ってると』

「正解」

「残念でしたわね折原妹さん?」

『はぇ?』



女の子の方が綺麗な声でそう言った。こう言っちゃなんだがなんとも高飛車そうな笑顔だ。



「(すごい高飛車そう)」

「毎回テストのトップはW折原だなんだと言われてるみたいだけれど、わたくしたちが転校してきたからには残念ながらそうはいかなくてよ!」

『転校?え、転校生なの?』

「転校生が2人ってことは聞いてたけど双子とまでは知らなかったなあ」

「くっ、ただ折原兄を抜けなかったことだけは唯一の不服ですわ」

「しょーがねーよ姉ちゃん、だって僕たち転校してきてすぐにテストしたんだから。なのに負けるような折原妹はこれから先一切眼中にないけど、次こそは梶原ツインズでトップ2をとろうぜ!」

「なんていい子なのあなた…!そうよね、正直こんなの実力の半分どころか十分の一も出せてないもの。そういうことだから、わかったかしら折原のお兄さん?」

「あーうん」

『(なんか私度外視されてね)』

「ここにいる皆さんもしっかりと聞いてくださいませ!今までこの折原ツインズはずいぶんと有名だったそうですが!」

「これからは僕たちの時代!双子ノットイコール折原ツインズ、双子イコール梶原ツインズ!」



別に大声で叫ぶのは勝手ですけどこの空気なんとかしてくれないかな。シーンって。シーンって。凍てつく空気とはまさにこのことですよね。ちらっと隣の臨也を見たら珍しくぽかんとしているではありませんか。



「それではごきげんよう」

「さっすが姉ちゃん、かっけーなあ!弟は一生ついていきます!」

「当たり前でしょう」



おい放置してそのまま帰るなよ。



『…なにいまの』

「…強いてマンガや小説風に言うならライバル現れるってやつ?」

『いや、ライバルとかいらん。めんどくさいからもう喋りたくない』

「あれ、莉子怒ってる?」

『当たり前』

「なんで」

『わかってるくせに』

「わからないから聞くんだよ」

『(絶対ウソだ。)だってあの双子さりげなく私をけなした。さりげなくすぎて逆に倍のダメージだった』

「よしよし」



臨也が頭撫でてくれたからちょっと元気出ました。



梶原ツインズ

(×かじはら ○かじわら)




 

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