双子ラプソディー | ナノ



「莉子ちゃんと折原くんって仲良いよね。ってか仲良すぎない?いくら双子でも高校生の兄妹でそんな仲良い子いないよ。一緒にお風呂入ったりしてないよねぇ?」



きっかけはこの言葉。特別仲が良いわけでも悪いわけでもないクラスメートからの言葉は、なぜか私の中へ大きな疑問としてやってきた。そんなに仲、良いのかな。(ってか一緒にお風呂ってそんなアホな)



「確かにちょっと仲良すぎな気もするけどね」



クラスメートに言われたのは2日前だというのにその疑問は消えることを知らない。あまりに気になった私は新羅に聞いてみた。するとそんな答えが返ってきたわけで。



『そうなの?』

「あくまで個人的な意見だけどね」

『どうして?私臨也とはよく喧嘩してるし、まさか一緒に風呂に入るような仲良しこよしでもないのに』

「君たちの喧嘩は喧嘩に見えないんだよ。なんて言うのかな、喧嘩するほど仲が良いをまさに具現化したような」

『ええ』

「簡単に言うならば痴話喧嘩、みたいなね」



ち、痴話喧嘩…。



「自分では仲いいつもりなかったの?」

『うーん、仲はいい方だと思うよそりゃあ。でもこんなふうに言われるくらいとは思ってなかった』

「へぇ」

『そもそも兄弟ってのは仲悪い方が珍しいもんでしょ?』

「どうだかね。このぐらいの年齢になると、特に男女は大抵がお互いを避けるくらいになるのが世間一般じゃないかな」

『そうなの?』

「中途半端な年頃なんだよ。異性として見えてしまいそうな」

『へえ……』



臨也を異性として……は、まずないな。ナイナイ。だって臨也だもん。うざいし。放課後家に帰ってからお母さんの料理を臨也と並んで食べて、テレビを見てる時。ここ数日私の中で生き続けていた例の疑問を臨也に言ってみた。



『ねえ知ってた?私たちって仲良すぎるらしいよ。一緒にお風呂入ってるのとか聞かれちゃった』

「何それ気持ち悪い。誰が言ったの?」

『佐伯さん。それで新羅に聞いてみたら新羅もそう言った。仲良いって』

「ふーん」

『臨也はどう思う?私たち、仲良すぎると思う?』



3日に及ぶ疑問は、臨也のたった一言で解決することとなった。



「うん」



仲の良すぎる例の双子

(そっかそっか、そうなんだ)(莉子プリン食べようか)(うん)



 

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