『もう嫌だ。本当に嫌だ。なんでこんな嫌なことを私は1週間も耐えなきゃいけないの』 「……」 『しかもやる気全然出ない!だから問題も全然わかんない!』 「……」 『臨也助けてよー!教えてよー!』 「……」 『ねぇちょっと聞いてる?臨也?ちょっとォ』 「……」 『い、ざ、や!』 「うるさい」 『助けてよ臨也ー!テスト勉強したくない!』 「やめれば?」 『やめたら1位とれない』 「とったことないんだしいいじゃん別に」 『今回とれるかもしんないじゃん!ってかあんた何やってんの?』 「秘密」 『……』 黙って臨也の後ろから携帯画面を覗くとカラフルな横長や縦長の棒を積み重ねていく、……ゲーム。 『テトリス…!あんたまじで余裕なの!?』 「あ、ちょ、今喋りかけんな、」 『いざやいざやいざやいざやー!』 「だから喋りかけんなって、うわ、バカ、そんな引っ張ったら、」 『いーざーやー!』 「……」 ガタ、 『…臨也?』 突然、黙ったまま立ち上がる臨也。手に握られた携帯の画面には"GAME OVER"という単調な文字。なんだなんだと顔を覗き込むもうつむいててあんまり見えない。 『臨也?もしかして怒っちゃった…?』 「行くよ」 『え?』 「…勉強教えてほしいんだろ。気分転換に図書館でやれば少しはやる気も出るさ」 『…!!臨也大好き!』 臨也が男前過ぎて抱きついたのは言うまでもないのである。 ♀♂ 「……で、なんでシズちゃんもいるのかなぁ」 「あ゛あ゛?俺だってなぁ、」 『はーいストップストップ、図書館ですよここは!2人とも落ち着いて』 臨也と2人でやってきた図書館にはなんとなんとシズちゃんとドタチンがいた(あんま見ない組み合わせだ!)。やっぱ皆勉強してるなー。ってことで私たちも一緒にその場に腰をおろす。シズちゃんと臨也がこんな近く、しかも見た目だけながらも一緒に勉強してるとこなんてこの先一生見れないかもしれない。一応2人ともここが図書館で喧嘩すれば他人に迷惑かかることは理解してるみたいだ。(シズちゃんのシャーペンはすでに2本折れてるけど)あ、これで新羅も揃えば完璧だ。 「あれ、静雄と臨也が一緒にいて喧嘩しないなんて、天変地異でも起きたのかな?」 『ビンゴ!』 「え?」 『ナイスナイス、さすが新羅だよーわかってるね。よっ空気読める男ナンバーワン!』 「ごめん何の話?」 『ごめんこっちの話』 臨也、シズちゃん、ドタチンに新羅、それから私。来神高校で言われる変人が集まった光景はある意味奇妙で、そしてまたある意味この空間に溶け込んでいた。臨也を見るとちょうど臨也もこっちを見て、『あ、双子って周波数も一緒なんだ』なんてくだらないこと思ったりして。 『平和だなぁ』 毎日が楽しければいい、そう思うことがよくあるけどシズちゃんの好きな平和も悪くはないようだ。 変人たちとスタディー (あれ、シズちゃんそこ間違ってない?間違ってるよねぇ?さすが単細胞、こんな簡単な問題間違えるなんて!むしろ尊敬するよ!)(っんだと臨也テメェ…!)(ちょっシズちゃ、本棚持ち上げちゃダメ…!)(うおらああああ!!) (結局喧嘩かよ)(ドタチン止めて!)(殺す気か)(なら新羅!)(無謀だよね)(……ここ立ち入り禁止になるかも) back |