それは数学の授業中でのこと。 マナーモードにしていた私の携帯がブブブ…とカーディガンのポケットで震えた。幸い私は前で話す先生からは見えない位置に座ってて、あまりにも暇だったから身体を倒して携帯を覗いてみた。受信相手は例の双子。ちらっと臨也に目を向けるとにこにこしながらこっち見てて気持ち悪かったからすぐにそらした。受信ボックスを開けばそこにはさっぱりとした短文が。 from 臨也 title 無題 ─────────── つまんない 『(話聞けよ)』 私も聞いてないけどさぁ。つまんないってどうなの。知らないよ。でも私もつまんないからしょーがない、相手してやるか。 to 臨也 title Re: ─────────── つまんない(^ω^) ってか話聞けよ/^p^\ 送信!顔文字うざかったかな。うざいの狙ってみたんだけどうざいあいつなら多分うざいって思うはずだ。同族嫌悪的な……ってはやっ!臨也メール打つのはやいからなあ…。 from 臨也 title Re2: ─────────── 顔文字うざい 俺話聞かなくてもわかるから\(^p^)/ to 臨也 title Re3: ─────────── お前も顔文字もうざい 次のテストは私が一番 from 臨也 title Re4: ─────────── まあ頑張って ってか今日夜ご飯何? to 臨也 title Re5: ─────────── お母さんがカレーって 言ってたような気がする from 臨也 title Re6: ─────────── 甘口? to 臨也 title Re7: ─────────── 甘口じゃないとやだよ 臨也も私も甘口派だし 甘口でしょーー つーかねこないだね 臨也の好きなチョコ 教えてっていっぱい 聞かれた。何が好き? from 臨也 title Re8: ─────────── もうすぐそんな季節か 俺チョコいらない to 臨也 title Re9: ─────────── 臨也ならそう言うと 思って言ったんだけど 皆納得しなかったよ! from 臨也 title Re10: ─────────── じゃあ適当に言っといて to 臨也 title Re11: ─────────── 了解(・ω・)/ あ、そういえば私も 作るんだけど臨也は なんか食べたいのある? from 臨也 title Re12: ─────────── トリュフ あ、やっぱり生チョコ to 臨也 title Re13: ─────────── チョコいるんじゃん! from 臨也 title Re14: ─────────── え、くれないの to 臨也 title Re15: ─────────── あげるけどさ from 臨也 title Re16: ─────────── 生チョコね。甘さ控え目 to 臨也 title Re17: ─────────── はいはい あんたのチョコだけ 甘さ控え目って結構 めんどく 「甘さ控え目チョコねえ」 『!……ご、ごきげんようティーチャー』 「ごきげんよう折原妹。俺の授業でのんきに男とチョコの話題メールなんていい度胸だな」 『違いますコレは先生の好みのチョコを聞く作戦でして。何味が好きかなーと相談してたんです。そして1人で先生とのメールをシミュレーションしてました』 「ってことだそうだが、どう思う?折原兄」 突然名前を呼ばれた臨也(どうやら先生には相手もバレてるみたいだ)はさして驚くこともなく、ガタリと立ち上がった。にこにこと笑いながら。 「莉子は嘘をついてる、って双子の直感でわかります」 「ほう。なら誰とメールを?」 「確か中村さん、だったかな。ずっと携帯いじってたしねぇ」 臨也の視線が中村さん、と呼ばれた女の子へと向けられる。その子の手には確かに携帯が握られていて。目を丸くしながら臨也を見てた。 『(あの野郎…!1人だけ逃れる気だ!)先生えええ!私本当はメールしてました!相手は臨也です!臨也から送ってきたけど返信しちゃった私も悪いですごめんなさい!』 「よし正直者だ。とりあえず双子は廊下行ってろ」 『はーいっ!』 「……ちっ」 なんだかんだ仲良い (なんでバラすかなぁ)(あんた中村さんに罪なすりつけようとしたでしょう!)(はあーめんどくさ)(臨也のせいだー最悪)(バカにメールしなきゃよかった)(んだとう) (ツインズうっさい!!) back |