双子ラプソディー | ナノ



「やばい」

『?』

「莉子助けて」

『は?』


と、いうことで。今日は我が家の長男の苦手なものを紹介していこう。


「それ、そこの、」

『ごめん臨也全く伝わらない』

「そこだよそこ」

『いやだからどこ…』

「そこ!俺が指差してるとこ!…うわ見えた!」

『(そんな怒鳴らなくても)えー………ああ、ゴキブ』

「言ったら刺す」

『おま、実の妹にナイフは無いんじゃないの!』

「名前も聞きたくないってかいいから莉子早く殺してもしくは追い出してマジキモい」

『しょーがないなぁ(殺すのは可哀想だし追い出そう)。臨也窓開けて』

「ん」


ガラガラ


『えいやっ』

「ふう、これで折原家にも平和が訪れた」

『お前何もしてねーけどな』



まずひとつめはゴキブリ。あの黒くてツヤツヤしてる背中(?)とかカサカサ動く感じが堪らなく嫌いらしい。前に臨也に『あの生命力とか他人家に勝手に居座る図太さとか黒いとことか臨也に似てるよね』って言ったら飲んでたコーラを一気飲みさせられた。当然吹いた。別に虫が苦手ってわけじゃ無さそうだけどゴキブリだけは大嫌いでいつも退治は私担当。よくよく考えてみれば普通逆じゃね?



「莉子ピーマンいる?」

『いらない』

「はい、あげる」

『ちょ、いらないってば』

「ピーマン食べる子は背が大きくなるらしいよ、新羅が言ってた」

『嘘だねそれ絶対嘘だね!私だってそこまでピーマン好きじゃないもん自分の分くらい自分で食べてよ!』

「無理無理」



ふたつめは野菜。基本的に野菜嫌いな臨也のお皿に残った野菜は何故か私の皿へとやって来る。ふざけるなと怒鳴ってやったこともあったがそんなことで怯むような奴じゃなくて、むしろ嫌がらせの如くいつまでも野菜を私に寄越してきた。だから昨日も私は2人分のニンジン食べました。私はウサギじゃない!って言ったら「ウサギはもっと可愛いしな」なんて言われた。



「なんで俺が莉子の買い物に付き合わなきゃいけないの」

『暇でしょどーせ』

「俺は莉子とは違……げ。シズちゃん」

「いぃぃざぁぁやぁぁくーん」

『なんつータイミング……って臨也!?』

「じゃあねーシズちゃん、俺用があるから!」

「待てコラノミ蟲ィィイ!!」

『あっ、シズちゃんまで…!ちょっとー!この荷物誰が持つのー!?』



みっつめはまあ言わずもがなシズちゃん。休日池袋の街に出ると7割の確率で会う。そうなると臨也は持っていた荷物をその場に置きすぐに走ってどこかへ行ってしまう(いやまぁシズちゃんに追い掛けられるんだから逃げるに決まってるけどさ)。



『はぁー…』



折原家長男の苦手なもの

(いぃざぁやぁあ!)(ちょっと莉子シズちゃんみたいに言わないでくれる)



 

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