『いつも思ってたんだけど、神威くんの力って怪物じみてるよね』
「そ?」
『うん。神楽ちゃんも妙ちゃんもだけど、神威くんの場合次元が違うというか』
「そうかなあ」
『少なくともわたしは、そう思う』
「確かに人よりちょっと強くてちょっと丈夫だけどネ」
『神威くんのちょっとの基準がわからない』
「つばきこそ、女のくせに女らしさがカケラもないね」
『うわーそれ言うか』
「だってほんとに」
『わたしは女らしさをアピールしないところがウリだ』
「ふーん、なるほどバカなのか」
『ちょ』
「なに?」
『いや…』
「そういえば今日、俺の誕生日なんだけど」
『え、あ、ほんとだ。6月1日か。おめでとう』
「………」
『どしたん?』
「なんか適当だなって」
『そんなことないよ』
「俺が生まれたことへの敬意が感じられない」
『(ない敬意をどうやって感じさせればいいのだろう)』
「ほら、早く」
『え?』
「お祝いしてよ」
『お祝いならさっきしたじゃん、お誕生日おめでとうって』
「あんなのなんの価値もない」
『傷つくなオイ』
「俺のこと好きって言って」
『好き』
「………」
『文句あんの?』
「…あーあ。付き合ったばかりの頃はもっと照れてて可愛かったのに」
『ウブだったのねわたしも』
「キスとか、真っ赤な顔でしてくれたなぁ」
『神威くんが変えたんじゃん』
「他の男に変えられてたら許さないよ」
『(きゅん)……か、神威くん、今のわたしきゅんて…』
「ってか早くヤろう」
『え?』
「誕生日だから、ヤろうよ」
『………』
(神威くんの場合そんなの理由にならないくらい毎度毎度抱かれてますが)