lovin' rabbit | ナノ
 


 27



神威さんについていろいろ考えてみた。
わたしが春雨にきてもう1ヶ月近くたつけど、そういえば神威さんについてあまり知らないということに気づいたからだ。


わたしが知ってることと言えば…


「さくら食べるの遅いね。もうお腹いっぱいなの?なら俺が食べてあげよう」
「え、ちが、ちょっ」
「んーおいしい」


まず食いしん坊でしょ。よく人の食べてるものや残しておいたものを横取りしたりする。わたしは好きなものを最後に食べる派だからショートケーキのいちごを神威さんに取られた日にはそれはもう発狂したものだ。(すぐに殴られて黙ったけど)
それから、


「神威さん、起きてくださいよ!もう時間ですよ!」
「……」
「(神威さんいつまでたっても起きないからなー)…そうだ、今日は目覚ましを置いていこう。これならさすがの神威さんでも…」


10分後


「神威さん、もう起きましたか──」
「……」
「ってうわぁ!目覚ましが見るも無惨な形に…!てゆーか原型留めてないし!」


ありえない馬鹿力。これは初対面した時からわかっていたことだ。だっていきなりわたしの後ろの壁を拳で突き破ったわけだし。…まあ喧嘩が強いとも言いますね。頼りになるけど敵に回したらおしまい、ってかんじ。
あとは…、


「さくらってなにげにちょっとぽっちゃりしてるよネ」
「!!(ガーン)」
「どうしたの?」
「い、いまのは…ショックです…!乙女にそれは…!」
「別にいいじゃんちょっとだし。それに俺は細すぎるよりこれくらい肉付きがいいほうが好きだけどな」
「!す、好きって…」
「あはは、照れてる照れてる」


意地悪。またの名を無神経とも言うが、意地悪のほうがしっくりくる。わざと照れさせたり、悲しませたり、怒らせたり…そんなわたしを見て神威さんは楽しそうに笑うんだ。そしてそのたびに思う。この人ドSだな。
んー、他は…


「神威さん!」


前方にピンクのみつあみを見つけたわたしは、嬉しい気持ちをそのまま笑顔に表し駆けていった。だけどなぜか何もないところでつまずいてしまい、おおげさにもバンザイのポーズで前に倒れこむ。
恥ずかしさから顔を上げられずにいると、足音がだんだん近づいてきた。きっと神威さんだろう。あ、頭踏まれたりしないかな。さすがのさくらちゃんもそこまでどぎついプレイはお好みじゃないかなーなんて…えへへ。


ところが思っていたのとはちがい、後ろに回ったのか神威さんはわたしの脇に手を入れ、軽々と持ち上げてくれた。


「(わあ、やっぱすごい力…)」
「どんくさいのは見てられないね」
「ありがとうございます」
「今度からは下向いて歩きなよ。あんたにはそれがお似合いだ」
「はいっ!」


…ん?いまのなんかサラッと毒吐かれた?…ま、いっか!


もうひとつ、わたしの知ってる神威さん。それはとっても優しい人ってことです。
これからどんどん新しい神威さんを知っていければなぁと思いました。おしまい。


…アレ?作文?


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