彼女は何も知らない、純白。

故に彼女の起こす行動が、ボクにとっての希望に繋がることがある。

誰かの希望のためなら、ボクが踏み台になっても全然構わない。

日向クンたちにならそう思えて、その為なら死ぬこともできるというのに

何でだろう。彼女のは違った。

彼女の希望を手助けするために命を落とすならば、

自分から舌を噛み切った方がいいと思うのだ。

思い切って日向クンに話すと、なんだか目が光った気がする。

「それって名字に特別な感情を持ってるってことなんじゃないか?」

「特別な?そんな、まさか」

「どんな感情か、それは俺にも判断しにくいものだけど変な方向にだけは走るなよ」

「おかしなことを言うんだね。まぁいっか」

去り際にもう一度、変な方向にだけは走るなよと言われて

とりあえず冷静に考えてみるよとだけ言っておく。


嗚呼、ボクと一緒に黒く染まればいいのに。


(純白ならばまれ)

title by ≠エーテル