リヴァイ×ハンジ | ナノ

永遠を誓う日
[ 2/12 ]


 小柄な癖に男らしい逞しさを持った両腕にふわりと身体を持ち上げられて、そっと壊れ物でも扱うかのような慎重さでベッドにおろされた。いつもは放り投げるようにしてベッドに沈められるのに、とハンジは不思議に思った。ハンジの視線に気づいて「何だ」とぶっきらぼうに訊いたリヴァイの表情も、いつもより柔らかい。
「何だか、あなたが妙に優しいから」
「あ? いつも優しくしてやってんだろ」
 リヴァイが首に唇をつけながら話すものだからハンジは、くすぐったさから逃れたくて身を捩った。しかし、そんな些細な抵抗すら許さないとばかりに肩を掴んだリヴァイの手がハンジの動きを封じた。
 筋張ったリヴァイの大きな手。左手の薬指に輝く銀色の指輪。そして、リヴァイの胸に置かれたハンジの左手の薬指にも、同じ輝きがあった。
「てめぇの誕生日で初夜だからいつもよりも優しくしてやろうと思ってな。それとも、強引な方が好みだったか?」
「……あなたって、本当にこういう時はよくしゃべるよね」
「てめぇの方こそ普段とは随分違うじゃねぇか。ベッドの中ではいつも借りてきた猫みたいに大人しくなりやがって」
「なっ……!」
 普段は人の何倍も話すハンジがベッドの上では生娘のような反応を返す。それが新鮮で楽しくて、つい虐めたくなってしまうのだが、ハンジはそんな男心をいまいち理解出来ていないようだ。驚愕に見開かれたハチミツ色の大きな眸と熟れた林檎のように赤く染まった頬が何とも嗜虐心を刺激する。
 焦らすようにゆっくりブラウスのボタンを外していくと、ボタンを一つ外す毎にハンジは切羽詰まった表情になっていく。肉食獣に追い詰められた小動物のような、そんな顔。
 さあ、パクリと美味しく頂いてしまおう。今夜は、どんな風に貪ってやろうか。
 そんなことを考えながら、リヴァイはハンジの下着のホックを外し、その胸に唇を寄せた。胸の頂を口に含み、舌先で転がしながら、反対側の蕾には指で愛撫を施す。
「……っ」
 手で口を押えながら声を押し殺すハンジの様子を窺いながらリヴァイは愛撫で固くなった胸の先端に軽く歯を立てた。
「あっ……」
 思わず零れたハンジの嬌声に気をよくしたリヴァイは顔を上げた。右手で口を押えていたハンジの手を取り、唇を塞ぐ。遠慮がちに開かれた隙間から舌を差し入れると、ハンジはおずおずと自分の舌を差し出して来た。舌と舌が絡まり、次第にくちゅくちゅと湿った音が聞こえだす。口付けに夢中になるうちに少しだけ積極的になったハンジがリヴァイの首に腕を回した。じわり、と腰に甘い疼きが生まれ、ハンジは無意識にもじもじと膝を擦り合わせた。それを察したリヴァイがハンジのズボンに手をかけた。ズボンをずり下げ、下着にも手をかける。ズボンの時と違ってゆったりとした動作で下着を脱がせたのはわざとだろうか。計算されたように、溢れた愛液が糸を引いていた。
「随分濡れているな」
 ハンジを追い詰めるようにリヴァイが耳元で囁く。嗜虐的な光が見える眸とは裏腹な酷く優しい手付きで、リヴァイがハンジの頬を撫でた。羞恥心に震えるハンジの額に口付けを落として、リヴァイはハンジの下腹部に手を伸ばした。ナカの様子を確かめながら人差し指と中指をハンジの濡れた場所に埋め込んでいく。狭いその場所を指でほぐしながら耳朶を唇で食み、一度指を引き抜くとハンジは抜かないで、とでも言うように声を上げた。リヴァイは宥めるようにハンジの頭を撫でてから中心に顔を寄せ、舌を差し込む。
「やっ、あぁ……!」
 じゅわり、次から次へと溢れて来る愛液を嚥下しながら花芯を指の腹で押しつぶす。リヴァイの髪に差し込んだハンジの指は快楽に震えていて、リヴァイを押しのけることはおろか、碌な抵抗も出来ずに、ハンジはただ嬌声を上げた。限界が近いらしく、首を左右に振っていやいやをするハンジを更に追い詰めるべくリヴァイは指で花芯を弄りながら、舌でハンジのナカをぐちゃぐちゃに掻き回した。
「あぁ――ッ!」
 絶頂に達したハンジは高い声で啼いて背を弓なりに反らした。リヴァイは顔を上げ、ハンジの愛液と自分の唾液で濡れた口元を拭い、絶頂の余韻に浸り、呆然とするハンジを見下ろした。そして、余裕なくシャツを脱ぎ捨てると、ベルトを引き抜き、下着ごとズボンをおろしてベッドの下に無造作に放った。
「ハンジ……」
 名前を呼ばれ、乱れた呼吸を整えていたハンジは覆いかぶさって来たリヴァイの目を見て、頷いた。リヴァイはハンジの額に口付けを落として、いきり立った雄を蜜口に押し当てた。くち、と濡れた音がして亀頭がナカに沈む。リヴァイは深呼吸を一つしてからゆっくり腰を落としていった。
「っぁ……」
「……ふっ」
 全てが収められて、二人が同じタイミングで息を呑んだ。リヴァイは一呼吸おいて衝動をやり過ごすと、腰を掴んでハンジの身体をゆすった。緩慢だった動きが徐々に大きくなっていく。ハンジの上げる嬌声に引っ張られるようにリヴァイは夢中で腰を動かし、蜜窟を貪った。互いの体液が混ざり合い、じゅぷじゅぷと淫らな音を立てる。激しい抽送に翻弄され、電撃にも似た衝撃が背骨を伝って駆け抜けたと思った刹那、ハンジは白い光の中に投げ出されたような感覚に陥った。
「ふぁ、リヴァイ、あッ、あぁっ……!」
「ハンジ……ッ」
 絶頂に震えるハンジのナカが全てを搾り取ろうとするかのようにリヴァイの雄を締め上げる。その衝撃に身を委ね、リヴァイはハンジのナカに己の欲望を全て注ぎ込んだ。最後の一滴まで注ぎ込んで満足したリヴァイは、乱れる呼吸のままベッドに横たわり、ハンジの髪に指を差し込んで自分以上に呼吸を乱しているハンジに口付けた。
「すきだ、ハンジ……愛している」
 口付けの合間に囁くリヴァイに、ハンジも同じ言葉を贈った。
 行為の最中は生娘のように恥じらってばかりのハンジは、事後は幼子のようになる。今もリヴァイの腕にのせた頭をぐりぐりと押し付けながら甘えている。見下ろされている普段とは違い、上目遣いで見つめられて、落ち着いていたはずの熱が再び鎌首をもたげようとする。シーツの下にある直接触れ合っている肌から伝わって来る温もりと柔らかさもリヴァイを追い詰める要因であるのだが、ハンジがそれに気づくことは恐らくないのだろう。
自然と二人の唇が近づいて、そっと重なる。指輪に触れ、うれしそうに眸を細めて笑うハンジは、とても無邪気で可愛らしく、だけど事後特有の色香を纏っていた。
 もう、己を律するのは無理そうだと、リヴァイは潔く負けを認めた。
「――ハンジよ」
 名前を呼ばれたハンジが笑顔のままリヴァイを見上げ、可愛らしく首を傾げる。
「まだまだ寝かせてやれそうにない」
 そして、ハンジの驚きの声は、再び獣となったリヴァイの唇に飲み込まれていったのであった。

永遠を誓う日


[] []
back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -