凍てついた風ににうたれ頬あかくなる 君、時雨ふれてははなるわが心高い空にもとけずこぼれる 冬うららまちわぶ君の影のなか ぼろぼろとすみをこぼして白汚し、その君ほろろ短くなるね てくびきるあなたはなにをおもってるかなしこころははるをまつのか 甘い香が漂いくればなんの花(か)か鼻をくんくん冬の春みる ある夏のにおいに抱かれある蝉のからっぽのからだかさりとこおる 夏の香をほうりだした君はいまかさりとなって透ける羽 背の高い金木犀が低い空あまいい香りのしずくを落とす さめやらぬきもちこころのすみにおきおわりくれゆくまつりのあとは 時雨空タオル頭に待つぼくに声かけるきみはオレンジの傘 あとすこし周りにせかれあるく僕金木犀も頭を落とす 少年のちょっと悪ぶる純真の目にうつる色褪せた鯖雲 毛糸あむきみに触れたいとおもったこのきもちを捨てたいとおもう 日なたぼこぼこりと咳をこぼすきみ 気づいたら信号なんて赤ばっかとまってることもわからなくなる 大雨の大風のあとはだか木にあかいほおしたきみが布まく 青春はときに残酷だとだれかが言った |