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16-01

もう疲れた。
好きな人を避け続けるのは。
いつか消えると思っていたこの恋心は消える気配すらない。
むしろ、増してる気がする。

時折感じる太一の視線だとか、話してる時に見せる笑顔だとか。
太一の言動すべてが愛おしいと感じてしまう。

なんで、太一は自分勝手に行動する私にあんなにも執着するのだろう?
それだけ、好かれてるということなのだろうか?

頭を振って、考え直す。
男バスの先輩の話を聞いたでしょ。
気まずくなった、って…

でも、今の私と太一の空気を表す言葉は気まずい以外の何物でもない。
告白されたことを完全になかったことにする、なんて出来るはずない。
だって、現に私はこんなにも太一のあの告白を意識してしまってる。

それならば、いっそ自分の気持ちを伝えてしまおうか。

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