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15-03
「太一がハッキリさせないから、純にまで被害が及ぶのよ!…って、言いに来たんだけど、まさか告白してたとはね。」
「…俺悪くねぇもん。」
「いーえ!太一は行動するのが遅いし、ヘタレだし、決断力あるのかないのかわからないし…そんなんだから、純は自分の気持ちに素直になれないのよ!」
さすがの俺でも、そんなまくしたてられるように短所を突かれたら、凹みそうだ…
「なぁ、空。その言い方…純、なにか言ってたのか?」
ヤマトの言葉に思わず顔を上げた。
「…あの子がなにを考えてるのかは大体知ってる。ずっと悩んでたから。純はね、太一とずっとこのままでいたいんですって。仲違いしたりせず、ずーっと仲良く、ね。」
「そんなの俺だって同じだ!」
「そういえば、バスケ部の先輩マネージャーにやめた人もいたわよね。なんでだったかしら?」
先輩マネージャーがやめた理由…
それと、告白した時に感じた違和感…
パチン、と頭の中のパズルがハマる音がした。
俺が感じていた違和感は告白した直後の“私も”ってやつだ。
私も、ってことは純も俺のこと好きってこと。
なのに、ごめんって言ったのは…
「そういうことよ。私、純が悪く言われるのを聞きたくないの。そーゆーのを完全に無くすことは難しいと思う。でも、減らすことは出来るでしょ?」
「俺、純と話がしたい。でも、避けられてんだよな…」
「あら、それくらい、私に任せなさい!貸し1ね。」
空は笑っていたが、そんな空を見て、俺は苦笑いしか出来なかった。