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15-01
「たーいち。ちょっと話があるんだけど、顔、貸してくれるわよね?」
あの告白から数週間、いまだに純と会話らしい会話ができていないある日の昼休み。
4時間目の古文の授業中に寝てしまっていたらしい俺。
名前を呼ばれて、目を開ければ、恐ろしい笑顔を貼り付けた空(とおまけのようなヤマト)がいた。
断ることのできないオーラを感じるのは気のせいだろうか。
俺は素直に立ち上がり、空たちに付いて行った。
辿り着いた先は一年以上通ってるのに、一度も来たことがないなにかの準備室だった。
「で、こんなところまで来て、なんだよ。昼飯くらい教室で…つか、純は一緒じゃねぇのか?」
「…太一、最近、純になにかしなかった?」
どうやら俺は地雷を踏んでしまったらしい。
ここで隠すわけにはいかないよな…
「…したっちゃーした、かな。」
てゆーか、ばっちりしちゃったんだけどな、告白。
するつもりなかったけど、しちゃった、みたいな。
つか、今、その話するのか…マジでか。
「純に一体なにしたの?」
「こ、くはくしました…」
それを言うと、空は鳩が豆鉄砲を食らったような驚いた表情になった。
鳩が豆鉄砲食らった顔なんて知らねぇけど。