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11-02
でも、純の顔が赤くなったのを見たら、もしかして、脈有り?なんて思ってしまって、気付いたら、告白してた。
「…あ、あのさ…純。」
「ん?」
「俺、純のことが好きだ。俺と付き合って欲しい。」
しばらくの沈黙のあと、
「わ、私も…………ご、ごめんっ!!」
それだけ言うと、純は雨の中走っていってしまった。
俺はというと、ごめん、つまり振られたショックでしばらく動けなかった。
家に着いて、挨拶もそこそこに自分の部屋へと足を進めた。
「振られた、んだよな…」
俺の小さな呟きは誰に届くわけでもなく、言霊となって、消えた。
ごめん、か。
純にそう言われた時のことを思い出した。
胸が締め付けられるような気持ち。
それと同時に感じた違和感。
ごめん、と言われたこと?
違う、それじゃない。
今のこの気持ちのまま、冷静に考えられるはずもなく、その違和感がなんなのか気付かなかった。
とにかく、明日ちゃんと話そう。
そう心に決めて、俺は意識を飛ばした。