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09-01

“いつも通り”の日常が戻ってきてから、時間が経つのは早かった。
長いと思っていた夏休みも終わり、朝から授業、終われば部活というハードスケジュールに戻っていた。
あれ以来、マネージャー希望だった子が部活に顔を出すことはなく、たまに校内ですれ違うことはあったが、目を合わせることはなかった。

空にそのことを言ったら、

「プライド高そうな子だったし、サッカー部のみんなが自分より純に味方したことがショックだったのよ。」

と言われてしまった。

とりあえず、心配だった学校生活もなんとか平穏を保てていた。
唯一、平穏じゃないこと、といえば。

「純も空もおはよ!」
「あら、太一。おはよ。」
「おはよ…」
「なんか、純、元気なくね?」
「そ、そんなことないよ!元気!」

あの一件以来、太一のことをやたら意識してしまっているということ。
私を庇ってくれたことがとても嬉しくて、気付けば目で追うようになっていた。
太一に対して今までの幼馴染としての“好き”ではない“好き”という感情を抱いていることに気付くまで時間はかからなかった。
助けてもらっただけで惚れるなんて、私って、なんて単純なんだ。

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