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07-01
朝、家を出ると既に太一が待ち構えていた。
「はよ。」
「おはよ。太一の方が早いの、久しぶりだよね。」
「そうだったかー?ほら、早く行こうぜ。」
珍しく先に待っていた太一と共に学校へと向かう。
荷物持つって言われたけど、これから動き回らなければいけない太一にそんなことさせるわけにもいかず、丁重にお断りしておいた。
ちょっとだけ寂しそうな顔を浮かべたことには気付かないフリをした。
「そういえばさ、昨日、テニス部どうだった?」
突然、昨日の話を振られ、ドキッとした。
私のいなかったサッカー部はどうだったのだろう。
聞くのが怖かった。
「テニス部は勝ったよ。空も勝ってた。」
「そっかー。空、運動神経いいからなー。」
そこから会話が続かない。
サッカー部はどうだった?とか聞けばいいんだろうけど、やはり怖いものは怖い。
簡単には言い出せなかった。
「…昨日、純がいないから、みんなソワソワしてた。あ、イライラの間違いか?」
「へぇ…イライラ…」
予想外の突然の発言に思わず、戸惑ってしまった。
ソワソワ、イライラ…
なにかあったんだろうか。
「新しいマネージャーいるじゃん。まだ入ったばっかだから、仕方ないと思うんだけどさ、なんも出来ねぇんだよ…純が完璧すぎただけなのかもしれねぇけど。」
「完璧なんかじゃないよ…」
「いーや。俺らの中では完璧だから。純がいねぇと落ち着いて練習も出来ねぇ。純が来るのみんなすげぇ楽しみにしてんだぜ?」
さりげなく、自分の手の甲をつねってみれば、じんわりと痛みが広がっていった。
夢じゃないんだ。
先ほどの発言を思い出して、顔がニヤケてくるのが分かった。
「そっか。うん、今日も頑張れそうだ。」
そう言って、歩くスピードを少しだけ速めた。