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06-02
「よし、休憩入っていいぞー!」
「マネージャー!ドリンク!」
「あ、は、はい!もう少し待ってください!」
まだ用意できてないのか。
動き回って、喉もカラカラな俺たちはドリンクがいまだに用意されてないと分かり、少し苛立っていた。
こーゆー時、純ならドリンクだけじゃなくて、タオルもばっちり用意してくれてるのに。
「お待たせしました!」
「ん。」
手渡されたドリンクを飲む。
…うっわ、甘ぇ。
「あっま!なぁ、このスポドリ、ちゃんと水で薄めたか?」
「い、いえ…」
「このスポドリ、汗かいた俺らには味が濃すぎるんだよ。ちゃんと薄めといてくれ。」
「す、すいませんっ!」
キャプテンの言葉に他の奴らも頷く。
いつもタイミングよく差し出されるドリンクはちょうどいい濃さで乾いた喉を潤すのにピッタリだ。
その後も散々だった。
紅白戦に使うゼッケンを取りに行っても、なかなか帰って来ず、迎えにいけば、ゼッケンの場所を把握していなかったり。
ミニゲームを始める時もコーンを並べるどころか、ただベンチで座っているだけで。
終いには、洗濯しにいくと行って、洗濯が終わるまで洗濯機の前に座っていたり。
結局、選手であるべきの一年生がマネージャー業をやっていた。
当のマネージャーといえば、迷惑をかけていると分かっているのかいないのか、ただひたすら謝っていた。
顔が笑っているあたり、分かってないんだろうな。
やっぱり、純がいないとダメなんだな、このチームは。
改めてそう思った。