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04-02
「そうやってすぐ自分の気持ちを溜め込むのは純の悪いところ!聞かれないと言わないんだから、ここで言っちゃいなさい。」
「…やっぱり空には敵わないね。あのね…」
こうやって全力で愛情をくれる空には隠し事は出来なくて、全て言ってしまった。
空に嫌われるとは思っていないけど、言ってしまって少し後悔した。
誰にも言わなければ、この気持ちを口に出さなければ、この思い自体をなかったことに出来たのに。
口から出してしまったら、この気持ちを取り消すことが出来なくなるから。
「…純、よく頑張ったわね。」
「空?」
「私だったら、とっくに投げ出してるわ。」
「…その勇気が出せなかっただけだよ。」
本当は投げ出そうと思った。
辞めてしまおうと。
でも、選手たちを一番近くで応援出来るこの場所を自ら離れたくなかっただけ。
ただ、この居場所を誰かに盗られるのが怖かっただけ。
「謙虚すぎるのよ、純は!そうね…私に任せて!」
「え?」
「とりあえず、今日はこのままやり過ごしなさい。どうせ、洗濯物を干し終わったら、終わりでしょ?」
空の言うとおり、この洗濯物の山を干してる間に部活終了の時間になるだろう。
(洗濯物は外に放置するわけにもいかないから、部屋干しになるんけだけど)
「で、今日は私と帰りましょ。もちろん、太一は抜きでね!」
いいわよね、と念を押されれば、私は首を縦に振るしか出来なかった。
一体、どうなるんだろう?