03-02
私が我慢すればいいだけだから。
そう思って耐えてきた。
だけど、ただドリンクを運んだだけでお礼を言われる彼女に私は嫉妬していた。
「いつもありがとう。」
その言葉が私に向けられてないことに気付いたとき、怒りのような悔しさのような、複雑な感情が芽生えたのがその証拠だと思う。
私が今まで必死に働いていたのはなんだったんだろう。
選手の為に働いていたはずなのに、いつの間にか彼女に利用されていたのだろうか。
そう思うとなんだか、馬鹿らしくなってきて、泣きたくなんてないのに、涙が出てきた。
拭っても拭っても止まらない。
早く戻らないとみんなが心配するのに。
…あぁ、マネージャーはもう一人いるからいいか。
私は部室の前で干さなければいけない洗濯物をただ見つめていた。