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02-03
挨拶も終わったらしく、私はマネージャーの仕事を教えていた。
「へぇ。意外と大変なんですね、マネージャーって。」
「力仕事みたいなものだからね、マネージャー業も。」
「もっと楽かと思ってました。」
確かに私も最初はドリンクとかタオルを手渡すだけかと思ってた。
でも、うちのサッカー部はいわゆる強豪校であり、練習にも余念がない。
灼熱の太陽の下、ドリンクを作ったり、給水機に水を入れたり、ユニフォームやタオルの洗濯したり、コーンを用意したり、意外と休める時間はないし、試合の時にはスコアも書かなきゃいけない。
つまり、選手同様マネージャーも忙しなく働かざるを得ないということ。
それでも、しばらくやっていれば、やり甲斐も感じられるようになり、今では適度に休めるまでになった。
慣れるまでは大変だったけれど。
「…今の説明聞いてた?」
「あ、すみません!聞いてませんでした!もう一回お願いしてもいいですか?」
彼女はさっきからこの調子。
私の説明なんて右耳から入って左耳にそのまま突き抜けていっている。
先生はマネージャーが一人だと大変だろうから、とこの中途半端な時期の入部を検討したらしいけれど、これでは楽になるどころか今まで以上に苦労することは目に見えていた。
これからのことを考えて、私はため息をついた。