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02-01

「マネージャー志望、ですか?」
「あぁ。この時期に珍しいんだが、入部したいと言ってきた生徒がいてな。夏休みは忙しくなるし、とりあえず、仮入部させてみようと思うんだが、どうだ?」
「仮入部…」

サッカー部に入ってから一年と数ヶ月。
今年もまた一人でマネージャーかー。
なんて思いながら、心の中でよかった、と一安心していた私が少しばかり懐かしい。
今まで私は私なりに頑張ってきて、やっと、選手たちを支えられていると実感してきた時にマネージャーが増えるというのは正直、嫌。
まるで、私だけじゃ役不足だと言われてる気がしてしまう。
そんなことないって分かってるけど、やっぱりそう考えてしまう。

だけど。

「わかりました。マネージャー業、一から教えますね。」

私はそう答えるしかなかった。

どう考えても嫌な方にしか考えられない私の脳みそ。
唯一、前向きに考えられたのは陰口を言われることがなくなるかもしれない。
ただ、それだけだった。

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