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01-03

私がもし、サッカー部じゃなくて、テニス部、それも女子テニス部とかだったら、こんなこと言われなかったんだろう。
要は、彼女たちはサッカー部のマネージャーである私が羨ましいのだ。
ちょっと優越感。
なんて思える余裕があるはずもなく、ただ零れそうになる涙を必死に堪えるしかなかった。


気持ちが収まったことを確認して、私はみんなの元へ戻った。
やっぱり頑張っているみんなの姿を見ると、嫌なことも忘れられる。

「よし、ミニゲーム終わり。一回休憩!」

顧問の先生の掛け声で選手のみんなが集まってきた。

「純ー、飲み物くれー。」
「はーい!」
「マネージャー、こっちもー。」
「今行きまーす!」

自己満足かもしれないけれど、こうやって選手のみんなの役に立ててることが私のマネージャーとしての喜び。
その為なら、いくら辛くても、いくらキツくても、いくら嫌な思いをしても我慢出来る。
それくらい、私の中でこのマネージャー業は大切なもの。

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テーマ「人外ファンタジー」
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