Taichi.Y | ナノ

前日

今日は珍しく、街中で待ち合わせをしていた。
いつもなら、純のうちまで迎えに行くんだけど、たまには待ち合わせもしたい、という純の提案からだった。
早く純に会いたくて待ち合わせ時間の30分も前に来てしまった。

「太一、遅くなってごめんね。待った?」
「ううん。全然。じゃ、行こうか。」

ありきたりな言葉を交えつつ、2人で笑いあった。
実際、純も待ち合わせ時間の10分前に来たし、待つ時間も楽しいと感じていた。
俺も落ち着いて来たのかな。

片方の手では純の荷物を、もう片方の手では純の手を握りしめて、歩き出す。
うん、充電できてる。
映画を見たり、買い物したり、いや、家で一緒にのんびりするだけでいい。
純といるだけで、疲れとか全部吹っ飛ぶ。
本当になくてはならない存在だ。


一通り買い物などが終わり、レストランに入った。

「純、昨日寝れなかったのか?」

向かい合って座ると、純の目の下に薄っすらとクマが出来ていることに気付いた。

「…やっぱり分かる?これでも頑張ってコンシーラーで隠してきたんだけどなぁ。」
「あんま頑張りすぎんなよ?」

そう言って、頭を撫でれば、純は気持ち良さそうに目を細める。
頭撫でられるの好きだもんなー。


食事を終え、さっきのごはん、美味しかったねーなんて言いつつ、帰路に着く。
もちろん、手は握ったまま。
頭の片隅にある、お泊まりだし、あわよくば…なんて考えには気付かないフリ。
まぁ、今までシてこなかったわけではないんだけど、そーゆー考えをしてるって気付かれたくないじゃん?

それでも、家が近付けば近付くほど、頭はそのことでいっぱいになる。
あぁ、どうか、この煩悩が純には気付かれませんように…!!


2012.07.14
誕生日まであと1日。


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