「なぁ、純、もっかいして?」
「やだ。恥ずかしい。」
「ちぇー。純ってホント恥ずかしがり屋だよなー。」
いつもそう。
純は照れ屋で自分からキスだったり、それ以上のことをしてくることは滅多にない。
でも、さっきみたいにたまーにしてくれるから、その時の喜びはハンパない。
それに純も俺とのキスが好きなのは知ってる。
だから、
「純、こっち向いて。」
俺からキスをする。
「太一…」
「純…」
もう少しで唇が重なる。
その時だった。
カシャ…
部屋の中からシャッター音が聞こえた。
まさか、と思い振り返ると、そこにはニヤニヤしながらこちらを見ている11人。
つまり、選ばれし子どもたち全員なわけだけど。
「ビンゴー!ベストショットGET!」
「お兄ちゃんも純ちゃんも私たちのことは気にしなくていいから続けて。」
ヒカリは鬼だろうか。
そんなこと…
「できるわけないだろ!」
「できるわけないでしょ!」
冗談よ、冗談。
なんてヒカリは言ってるが、さっきのヒカリの目は本気だった!
兄である俺が言うんだから、間違いない。
「太一、男ならキスくらいしてみせろよ。」
「はーい!私も見たーい!」
ヤマトとミミの発言は無視することにしよう。
それにしても…
「ちょっとくらい俺らに気を遣えー!」
そう叫ばずにはいられなかった。
HAPPY BIRTHDAY!!!
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bkm