Taichi.Y | ナノ

その4

昨日の夜から今日の朝方にかけて、みんなで太一の誕生日パーティーをした。
今年は16日が祝日で休みだったので、夜通しパーティーすることになり、眠たくなった人から寝ることになった。
寝室に行けばベッドもあるが、真っ先に眠たくなったアグモンとロッテリアにベッドは譲って、私たちはリビングで雑魚寝した。


もうすでに夏本番であるこの時期、日が昇る時間も早い。
太陽の光とクーラー独特のひんやりとした寒さで目が覚めてしまった。
みんなを起こさないようにして、テーブルへと足を運ぶ。

テーブルの上にはみんなが作ってくれたディナーとケーキ、お酒やジュースの残り。
少し視線をズラせば、12個ものプレゼント。
太一がみんなのリーダーとして、どれだけ愛されてるのかが分かる。
みんなでひとつのプレゼントを渡す予定だったみたいだが、みんながそれとは別に用意していたのだ。
それには太一もすごく喜んでいて、見てる私まで嬉しくなった。

「…純。」
「起こしちゃった?」
「ん。いつの間にか寝てた…」

太一はのそのそと起き上がると、私の手を引いて、ベランダまで歩き出す。

「ここなら、あいつらに気を遣わずに話せるだろ?」
「うん。太一は優しいね。」
「ん?なに、いきなり。」
「みんなから愛されてる理由がわかるなーって。」

そんな愛されてる太一だから、たまに不安になる。
私でいいのかな、って。
太一に会うとそんな不安なんてすぐに消えちゃうから、本人に言ったことはないけど、ね。

「それは純も同じだろ?」
「え?」
「このパーティー、幹事は大輔だけど、企画したのは純なんだろ?大輔が言ってたぜ。俺のわがままを聞き入れてくれて嬉しかった、って。」
「大輔くんが…」
「それに他のみんなだって、純が企画したから集まってくれたんだろ?なんせ絆の紋章の持ち主だしな。」
「太一…」

太一はホントすごい。
私の欲しかった言葉をすぐにくれる。

「だから、俺の恋人がそんな不安そうな顔すんなって、な?」

太一はホント周りを見てる。
私が不安になってたことにも気付いてたんだろう。

「太一、ありがとう。」

滅多にしない私からのキス。

「おぅ。どういたしまして!」

そう言って笑う太一は最高にカッコよかった。


プレゼント その4。
愛しい愛しい君の恋人!


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