「じゃあ、太一はアグモンとゆっくりしてて。」
「ホントに行かなくていいのか?」
「うん。せっかくの誕生日なんだから、太一はお留守番してて。」
「ん、わかった。気をつけてな?」
「うん。じゃあ、いってきます。」
太一とアグモンを残して、太一の家を出た。
朝ごはんで太一の家にある食料をほとんど使っちゃったから、買い出しに。
外食でも良かったんだけど、昨日も外食したし、太一は普段から外食ばかりだろうから、私がいる時くらい家で食べてもらいたい。
太一たちと一緒に買い出しに行ってもよかったんだけど、行かなきゃいけないところが何ヶ所かあるから、太一たちはお留守番。
太一の誕生日だし、一緒にいたかったけど、仕方ない。
ロッテリアを抱えての早歩きは大変だけど、急いで行かなきゃ!
「た、ただいまー。」
「わー!純、いきなり倒れないでよー。」
「おかえり。随分お疲れだな?」
「純ならモーマンターイ!」
帰ってくるなり、玄関に倒れこむ私。
頭にテリアモン、両手にロップモンとたくさんの荷物、それにプラスして真夏の太陽に体力を奪われてしまったのだ。
太一は買い物袋を持ち上げると室内まで運んでくれた。
ロッテリアもさりげなく頭と腕にいるのに…
さすが男。
いや、さすが太一だ。
帰宅時間が予想より遅れてしまったので、ランチは簡単にオムライスとサラダとスープ。
今更だけど、ホント外食でも良かったんじゃないか…!!
まぁ、野暮用があったし、そこは考えないことにしよう。
「ごめんね、簡単なものになっちゃって…」
「気にすんなって。俺、純のオムライス好きだからさ。」
「僕もすきだよー。おかわりあるー?」
「まだまだあるから、どんどんおかわりしてね。」
そのあと、太一もアグモンもロッテリアもおかわりをしてくれて、炊飯器の中のごはんは綺麗になくなった。
「あ、そうだ。これ、私たちからのプレゼント」
私の手には綺麗にラッピングしてあるプレゼント。
「え、もらっていいのか?」
「もちろん!」
「さんきゅ!…開けていいか?」
「どーぞ。」
箱の中にはアグモンカラーのネクタイ、刻印の施されたネクタイピン、そして、アルバム。
太一は早速、アルバムを開いて隅々まで目を通しているようだった。
アルバムをめくるスピードがゆっくりだ。
「ホントは手作りのアルバムにしたかったんだけど、時間がなくて……太一?」
「あー、見んじゃねー。…こんなん、反則だろ」
太一の目には涙が浮かんでいた。
アルバムには私たちだけでなく、仲間たちの写真があって、もちろん、最初にデジタルワールドへ行った時のものもある。
「純、マジで最高だわ。隣にアグモンがいて、こんな思い出詰まりまくりのアルバムもらえて、んで、純とロッテリアもいて…マジ嬉しい。」
「うん。泣いてる太一を見れば分かるよ。」
うっせ!という言葉と共に軽く頭を叩かれたけど、嬉しそうな笑顔と綺麗な涙に免じて許すことにした。
プレゼントその2
たくさんの素敵な思い出たち!
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bkm