朝、いい匂いがして目が覚めた。
…そうだ、昨日は純が泊まって、誕生日を祝ってくれたんだった。
隣の空いたスペースを少し寂しく思いながら、体を起こし、純がいるであろうキッチンへと向かった。
「純、はよ。」
「あ、太一、おはよ。」
「目ぇ覚めたら、隣に純がいなくて寂しかった…」
「ごめんね?朝ごはんとか準備してて…」
純の手元をみれば、おいしそうな和食が並んでいた。
簡単なものばかりだけど、と純は言ったが、普段、コンビニや朝マックで簡単に済ましてしまう俺にとってはかなり豪華なものであった。
だが…
「俺、朝からこんなには食えねぇ…かも。」
豪華、というより豪華すぎるくらいの量の和食が目の前に広がっているのだ。
一体、何時から起きてたんだ?!
てゆーか、食材はどうしたんだ?!
そう思わずにはいられない。
「あ、でも、残したやつは夜に食べるから!」
せっかく純が作ってくれたんだし、残すわけにはいかないよな。
「ふふ。ありがとう。でも、その必要はないんだ。」
純はにっこり笑うと、みんな、出ておいでーと風呂場の方に声をかけた。
すると、
「太一ぃー!お誕生日おめでとー!」
「「おめでとー!」」
勢いよくアグモンとロッテリアが飛び出してきた。
「え、あ、アグモン?!それにロッテリアも…!!」
勢いよく飛びついてきた3匹をなんとか受け止める。
よく見ると、アグモンの首にはリボンが巻かれていた。
「私からの誕生日プレゼント。アグモンでーす。」
「マジでサンキュー。すっげぇ嬉しい!」
仕事ではよく一緒にいるが、休みの日はお互いにやることがあったりして、二人でゆっくりできることは少ない。
本当に嬉しいプレゼントだ。
「太一ぃ、僕、お腹すいたぁ。」
昔から変わらないマイペースなアグモンに苦笑しつつ、嬉しさがこみ上げてくるのだった。
アグモン、ロッテリア、そして純。
みんなで食べた朝ごはんは最高においしかった。
プレゼントその1
大好きなパートナー!
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bkm