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03

それでも、やっぱり楽しみにしてたから、こんな行動に出てしまった。
無意識とはいえ、ヤマトを誘ったのはきっと…

「ほら、戻るぞ。太一もさすがに起きてきてるだろうし…」

こうやって、意地っ張りな私を強引に、でも、優しく太一の元へと連れて行ってくれるから。
意地っ張りな私はこういう時、自分一人では中々太一のところへ行けないから、こうやってヤマトに助けてもらってるの。
きっと、ヤマトもそのことに気付いてるだろうけど、なにも言わずに付き合ってくれる。
うん、甘えてしまうのも仕方ないよね。


「じゃ、頑張れよ。」

マンションの前まで辿り着くと、ヤマトに背中を押された。
あのボリュームのある髪型が誰かなんて、遠くからでもわかる。
慌てたようにキョロキョロして、私を探してくれてるんだろうか?

「太一っ!」
「純!」

私は太一に思いきり飛びついた。
もし、私が犬だったら、尻尾をはち切れんばかりに振ってると思う。
それくらい、太一が必死になって探してくれたことが嬉しかった。

「お前、今までどこにいたんだよっ!!…あ、いや。俺が悪いんだけど…」
「ううん。私もごめんね。太一が部活で疲れてるの知ってたのに…」
「いや、俺も約束してたのに…とりあえず、今から出掛けるか?」
「うん!」

結局、太一だけでなく、私のせいで出掛けるのがものすごく遅くなってしまったけど、約束通り、デート出来たから結果オーライ!

…ヤマトには迷惑かけたお詫びになにか買って帰ろうと思います。


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